「ごはんの支度をしなければ」「子どもの世話をしなければ」といって家を抜け出すことは、認知症の人によく見られます。
「うちに帰る」というのは、認知症が始まって、自分がどこにいるのかわからなくなって、知らないところにいると思っています。ですのでとても不安なのです。
認知症の人にとって「自分の家」とは、自分が元気で幸せだったころに住んでいた家や場所のことです。夜になって不安が高まると、幸せだったころの自分にタイムスリップして、「うちに帰る」と言って外にでしまいます。
とりあえず引き止める
「今夜はもう遅いですから、泊まっていってください」「タクシーを呼びますから、お茶でも飲みながら待ちましょう」などといって引き止めると、しばらくして気持ちが落ち着くことがあります。
不安な気持ちを理解する
「また始まった」という思いに駆られるかもしれませんが、力ずくでは引き止められません。本人の不安な気持ちに寄り添う姿勢があると相手にも伝わります。
それでも出ていってしまうときには、しばらく散歩につきあいましょう。「うちに帰る」と言ったことを忘れて、素直に帰宅することも多くあります。 |