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認知症と老化の見分け方

 
 認知症は、はじめのうちは歳のせいによるもの忘れとの区別がつきにくい病気です。

 大きな違いの一つとして、認知症は記憶のすべてを忘れてしまうのに対し、年のせいによるもの忘れは記憶の一部を忘れているという点があげられます。

老化による物忘れの特徴

 顔は分かるのに名前が出てこないとか、テレビでよく見るタレントの名前を思い出せないとか、別の部屋に行って、何をしに来たのか分からなくなり、元の部屋に戻って考えたら思い出す、漢字を忘れて辞書を引く、物をどこに置いたか忘れた、昼ご飯に何を食べたか思い出さない等々、知っているのにその記憶が取りだしにくいのは加齢に伴う物忘れです。

 ただ、すっと出てこないだけで、ヒントを与えると思い出したりする場合は、記憶機能は壊れていない証拠で、これは老化による物忘れのことが多いようです。

認知症によるもの忘れの特徴

 認知症の物忘れには特徴があります。たとえば、一般の人は何を食べたか忘れることがありますが、食事をとったかどうかを忘れることはまずありません。

 誰とたべたか、どこで食べたか、など経験したことの一部は忘れても、食事をしたこと自体は忘れないものです。もし経験したことそのものを忘れるようになったら、認知症の心配があります。


もの忘れの特徴
・鍋を火にかけたことを忘れてよく焦がす。
・いつも同じ服を着ていることが多い。
・しまい忘れや置忘れが多くなる。
・仕事で人に会う約束や、会合や通院の予定を忘れてしまう。
・仕事の段取りや、計画を立てられなくなってしまう。
・物盗られ妄想などの精神症状を伴うことがある。


認知症のもの忘れと、老化によるもの忘れの違い
 認知症のもの忘れの特徴  老化によるもの忘れ
 体験したこと全体を忘れる  体験の一部を忘れる
 もの忘れが進行する  大きく進行することはない
 もの忘れを自覚しない  本人にもの忘れの自覚がある
 理解力、判断力が低下する  理解力、判断力に問題はない
 日常生活に支障をきたす  日常生活への支障はあまりない