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認知症の人の心の変化

 
 認知症は脳の神経細胞が死滅するというからだの病気で、心が病んでいるわけではありません。認知症の人の心を理解するのは難しいのですが、認知症が進行していくとこのような心の変化が現れてきます。

気持ちが落ち込みやすくなる
 初期の段階では、自分が変わっていくことへの自覚があり、将来への不安から、気持ちが落ち込むことが多くなります。今まで楽しく感じたことにも興味が持てなくなり、すべてが面倒に感じてしまいます。

気分が変わりやすく、起こったり泣いたりする
 その場の状況が読めなくなり、思いがけない感情の反応を見せることがあります。病気のため、周囲からの刺激や情報に対して、正しい理解ができなくなっていると考えられます。

思い違いが多くなる
 理解する力、記憶力が低下してくるため、思い違いが多くなります。時間をかければ自分なりの結論がだせることもあります。

自分を正当化する、失敗を認めない。人のせいにする
 失敗したという自覚がなくなっても、失敗したという感情は残ります。自分を守りたいという本能は、認知症がかなり進行した段階まであります

威張りたい。現役時代の自分を誇示したい
 年長者であるプライドは長く保たれます。家族から敬意を払われなくなると、誇示したい気持ちが強くなります。

依頼心が強くなる
 不安や戸惑いが強くなっていくと、失敗を受け入れてくれたり、支えてくれる人を求め、安心を得たいという気持ちになります。

感情がストレートに出る
 以前は理性で抑えていた感情の表現が、認知症のためにそのまま表にでてしまいます。また、その人の素質や性格が増幅されてでることもあります。

自分をもどかしく思い、心が不安になる
 思い出せなかったり、確信が持てない自分をもどかしく感じています。何度も同じことを聞いたり、くり返し確認を求めるのは不安を感じているからです

過去と現実を混同する
 認知症の人は、今ここにいながら「今」とは違う世界を生きているということがあります。ずっと昔のことが、さっきのことのように思えることもあります。