急なケガや病気に備えて知っておきたい応急手当(応急処置)の方法について解説しています。


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応急手当(応急処置)方法ガイド


 熱中症

 熱中症とは、暑さなどによって「体温調節機能」がうまくできなくなることによって起こる様々な体の不調です。その中には「熱疲労」、「熱けいれん」、「熱失神」、「熱射病(日射病)」などがあり、これらを総称して「熱中症」と呼んでいます。この中でももっとも重いのが熱射病で、死亡事故につながることもあります。

 熱中症は、幼児から高齢者まで年齢を問わず起こりうる症状ですが、特に体温調節機能が未発達な幼児や、体温調節機能が衰えてくる65歳以上の高齢者がかかるリスクが高いとされます。
体温調節機能がうまく働かなくなると、本来なら暑いときも寒いときも一定に保たれるはずの体温が上昇し、体内に熱がこもってしまいます。それらによって、めまい、けいれん、吐き気、意識障害、頭痛など、さまざまな「熱中症」の症状が引き起こされることになります。

 熱中症には、熱波により主に高齢者に起こるもの、幼児が高温環境で起こるもの、暑熱環境での労働で起こるものの他に、スポーツ活動中に起こるものなどがあります。スポーツや活動中においては、体内の筋肉から大量の熱を発生することや、脱水などの影響により、寒いとされる環境でも発生しうるものです。実際、11月などの冬季でも死亡事故が起きています。


 熱中症の応急手当

 涼しい場所で安静にさせます。頭をやや高くして寝かせ、衣服のボタンやベルトをゆるめます。そして後頭部、首筋、わきの下、足の付け根をゆっくり冷やします。意識がはっきりしている場合に限り、水分補給を行います。水分は体に熱がこもっているので、急に冷たいものを与えると吐いてしまうことがありますので、ぬるめのお茶やスポーツ・ドリンクを与えます。熱があるからといって解熱鎮痛剤の投与はしてはいけません。

 なお、意識障害を伴うような場合はすぐに医療機関への搬送が必要です。