急なケガや病気に備えて知っておきたい応急手当(応急処置)の方法について解説しています。


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応急手当(応急処置)方法ガイド


 急性アルコール中毒

 毎年、入社や入学の時期になると「急性アルコール中毒」で病院に運ばれるというニュースを聞きます。これは飲酒経験の浅い若者が、どれ位飲むとどれ位酔うのかよくわからないまま、上司や先輩、周囲のすすめを断り切れず、また面白がって行う、お酒の「一気飲み」によるものがほとんどです。

 ゆっくり飲酒していれば、危険な状態になる前に飲酒を中止することができますが、「一気飲み」のように短時間での大量のお酒を飲むと、酔っているという自覚なしに危険な量のアルコールを摂取してしまい、そのため体内でアルコールが分解できなくなりアルコールによる急性中毒症状をきたしてしまいます。

 急性アルコール中毒は飲み始めてから1時間以内に泥酔状態になった場合、酒量でいうと日本酒で1升、ビールで10本、ウイスキーでボトル1本程度を超えると、血中アルコール濃度が0.4%を超え、意識レベルが低下するとともに、激しい嘔吐、低体温、血圧低下、頻脈、呼吸数減少、尿・便失禁などの症状が出てきます。さらにアルコール血中濃度が上がると、昏睡から死に至ります。それより低レベルの中毒でも、吐物を喉に詰まらせ、窒息死することもあります。


 急性アルコール中毒の応急手当

 まず、意識があるかどうか、呼吸や脈拍は正常かどうかなどを確認します。つねっても反応しないときや、呼吸困難に陥っている場合は、極めて危険性が高いので、すぐ救急車を呼びましょう。もし、心肺機能の停止がある場合にはAEDなどを用い、心肺蘇生法(人工呼吸、心臓マッサージ)を施さなければなりません。

救急車が到着するまでは次のような応急処置を行います。常に目を離さいようにすることが肝要です。

1.ネクタイやシャツのボタンをはずすなどして衣類をゆるめ楽な姿勢をとらせ安静を保つ。

2.体温が低下しないように毛布を掛けるなど保温に気を配る。
3.嘔吐物がのどに詰まって窒息する危険があるので顔を横向きにして寝かせる。

4.症状が落ち着いてきたら、水、ぬるま湯などを飲ませる。