急なケガや病気に備えて知っておきたい応急手当(応急処置)の方法について解説しています。


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応急手当(応急処置)方法ガイド


 せき、たん

 せきは気道内に侵入した異物などを外に出そうとする体の防御反応の一つです。せきには、たんのない乾いたせき(コンコンタイプ)と、たんがからんだ湿ったせき(ゼロゼロタイプ)があります

 乾いた咳と一緒に鼻水や発熱がある場合の多くは風邪で、この場合は数日で症状は軽快します。

 一方、湿ったせきは痰を外に出すためのものです。たんは体に不要なもの、たとえばウイルス、細菌、異物などの異物をたんがからめ取って、線毛で運び出す役目をしていますので、薬で咳を止めるとたんを排出することができなくなり、かえって症状が悪化することがあります。
 なお、2週間以上、せきが続くときや、痰に血液が混じっているときは、肺がんや肺結核など重大な病気の可能性もありますので、早めに受診するようにしてください。


 せきを和らげるには

 咳を和らげるには空気の乾燥を防ぐことが大切です。濡れたタオルや洗濯物を干して、湿度を高めに設定しましょう。また、定期的に窓をあけて、新鮮な空気を入れましょう。たんが出るときは水分を多めに取ると、たんが軟らかくなり出やすくなります。

 せきは横になるとますますひどくなることがあります。寝るときにせきが止まらない場合には、クッションや座布団を背中において、上半身を起こして寝ると、いくらか楽になります。ソファにもたれて、クッションを胸に抱いて寝る人もいます。また、寝る前にメントール系に軟膏を薄く塗ると、スーッとして楽になります。


 せきが続くときは

 せきが続くときは鼻、心臓、消化器など肺以外の病気や薬の副作用、心因的なものが原因となることもあります。2週間以上、せきが続くときは受診した方がいいでしょう。喫煙される方には禁煙が必要であるのはいうまでもありません。なお、高齢の方では誤嚥(ごえん)がせきの原因になっていることがあります。これは食べたものが食道ではなく気管に入ってしまい、それを戻そうとして咳が起こります。この場合、肺炎を併発しやすいため注意が必要です。