急なケガや病気に備えて知っておきたい応急手当(応急処置)の方法について解説しています。


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応急手当(応急処置)方法ガイド


 頭痛

 ひと口に「頭痛」といっても、痛みの種類、強弱、場所などによっていろいろ種類があります。最も多いのはカゼの症状の一つとしての頭痛で、殆どの場合、発熱を伴います。

 そのほかにも、ずきずきと脈打つ痛みに吐き気を伴うことが多い「片頭痛」、頭全体が締め付けられるような鈍い痛みが何日も続く「緊張性頭痛」、1年のうち数週間から数ヶ月間、目の奥や、こめかみなどが激しく痛む「群発性頭痛」の3つが代表的なものです。

 これらの痛みは市販の鎮痛剤では治まらないことがあります。生活に支障が出るほどの痛みでしたら受診するようにします。鎮痛剤で痛みを消し続けるのは好ましくありません。頭痛はストレスや疲れ、寝不足からくることも多いので、生活の見直しも必要です。


 片頭痛

 脈を打つような周期的な痛みが、頭の片方もしくは両側に現れます。生理の前後やアルコールを摂取したあとなどに現れることもあります。原因としては、睡眠不足、寝すぎ、ストレスなどのために、脳の血管が拡張して周囲の神経が刺激されることによります。

片頭痛の応急手当

 片頭痛は頭の血管が拡張した時に発生するので、冷やすことで頭の血管を収縮させるようにします。できれば暗くて静かな部屋で横になるようにします。音や光の刺激も片頭痛の症状を強くしてしまうので、刺激の無い部屋で安静にするようにしたほうがいいでしょう。寝ることが出来なくても、少しだけでも横になるとか、たとえ10分でも静かにしていると結構楽になります。ただ、睡眠を取り過ぎると逆に頭痛がひどくなる事もあるので、あくまでも一眠りにしておきましょう。

 また、お茶やコーヒーに含まれているカフェインには血管を収縮させる効果があるので、片頭痛が緩和されるようです。


 緊張性頭痛

 片頭痛は頭の血管が拡張した時に発生するのですが、緊張型頭痛は血管が収縮したときに起こります。

 緊張性頭痛は頭を締めつけられるような頭痛が毎日のように起こる、持続的な頭痛ですが、仕事や日常生活ができなくなるようなことはほとんどありません。頭全体もしくは後頭部にベルトで締め付けられるような鈍痛が現れます。痛みというよりも重い感じ、圧迫される感じ、締めつけられる感じになります。

 原因としては、テレビゲーム、パソコンなどの長時間の不自然な姿勢により筋肉や筋膜が硬くなって痛みを生じる場合、対人関係などによる精神的ストレスや睡眠不足などがおもな原因です。またストレスや不安、うつなどさまざまな因子が関係します。多くの場合は睡眠不足が続いたり、あるいは心配事が頭から離れなかったりするとひどくなります

緊張性頭痛の応急手当

 緊張型頭痛は血管が収縮し、筋肉の凝りが起るのが主な原因なので、基本的には後頭部や目を温めます。そして筋肉をほぐす体操などを行い心身両面でリラックスするようにします。

 首や肩が凝ってきたら、指圧やマッサージしたり、腕をぐるぐる回したり、肩を上げ下げしたりして簡単な運動をします。他には、濡らしたタオルをレンジで蒸したものを凝った場所にあてたり、温湿布をしたり、スプレーしたりして凝った部分に使います。筋肉がほぐれてきても痛みが続くときには、鎮痛剤を服用するのも良いでしょう。


 群発性頭痛

 片方の目のまわりやこめかみに集中する強い痛みや、涙目になったり、同じ側の鼻づまりが起ることもあります。一般に30分前後続き一日のうちに何回か起ることもあります。原因はストレス、睡眠不足、アルコールの摂取、気圧の変化などが誘因となっていると考えられています。

群発性頭痛の応急手当

 群発頭痛に鎮痛薬はほとんど効きません。群発頭痛には酸素吸入が効果を発揮します。発作が起こりそうになったら、窓を開け、深呼吸を繰り返し、痛むところを冷やします。鎮痛薬の効果はあまり期待できません。あまりがまんできないようでしたら、病院で酸素吸入を受けるようにします。


 その他の頭痛

 かぜの症状の一つとして、発熱を伴う頭痛が起ることがあります。その他、扁桃腺、中耳炎、おたふくかぜ、などでも頭痛が起ることがあります。なお、頭痛のほかに、けいれん、高熱、嘔吐などがある場合、今までにない激しい突発的な痛み、徐々に痛みが強くなる場合、意識がなくなっていくときなどは、すぐに脳神経科にかかる必要があります。