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強迫性障害の治療は

強迫性障害とは〜症状と治療〜

強迫性障害の治療

 強迫性障害の治療は「薬物療法」と「認知行動療法」があります。この治療法を併用することで、より改善効果が上がるとされています。強迫性障害は、適切な治療を行えば、症状を軽減させ回復が期待できる病気です。一般的な治療の流れは、診断→心理教育(病状や治療方法を本人や家族に伝える)→薬物療法→認知行動療法→リハビリテーションとなります。
 強迫性障害は、ほかの心の病気と同じように、通常は入院せず、通院しながら治療するのが基本です。定期的に通院し、薬の調整や生活面でのアドバイスを受けながら、症状を改善する方法を学んでいきます。

薬物療法
強迫性障害の治療には、SSRI(選択的セトロニン再取り込み阻害剤)という抗うつ薬が使用されています。SSRIは脳のセトロニンを介して治療効果を発揮する薬で、強迫観念と強迫行為の両方を軽減させる効果があります。
 脳には1千数百億以上ともいわれる、多くの神経細胞が張り巡らされています。神経細胞がつながっている部分をシナプスと呼びますが、シナプス間で神経細胞から次の神経細胞に情報を伝える役割を果たしている物質を神経伝達物質といいます。
 神経伝達物質のひとつにセトロニンがあり、SSRIは、そのセトロニンに働きかけます。セトロニンは、一度情報を伝えると、元の細胞に取り込まれてしまうのですが、SSRIはこの取り込みを抑えて、シナプス間のセトロニンを減らさないようにします。この作用が強迫性障害の症状に効果をもたらします。
 SSRIは、ほかの抗うつ薬に比べると副作用は少ないのですが、吐き気、食欲不振、便秘、下痢などの副作用がでることがあります。気になるときは医師に相談します。とくに肝臓病や腎臓病、心臓病などの持病がある人や、高齢の方は副作用が出やすくなります。またSSRIはアルコールといっしょに飲むと副作用が出やすくなります。

認知行動療法
強迫性障害の治療では、薬による治療のほかに、認知行動療法という治療法が有効です。認知行動療法は、心理学を用いた治療法です。認知行動療法と呼ばれるようになる前には、認知療法、行動療法というという治療法があり、それぞれ別々に発展してきました。認知療法は、認知=考え方に働きかける治療法です。行動療法は行動に働きかける治療法です。その後、認知療法と行動療法の間で、重なる領域が増え、欧米では1990年代ころからこれらの治療法を総称して、認知行動療法と呼ぶようになりました。

認知行動療法の4つの特徴
@「いま」問題となっている部分に焦点をあて、現実に適応しやすいように学習していく治療法です。精神分析とは異なり、精神の深い部分は扱いません。病気になった原因を探すこともありません。
A患者と治療者が協同で行う治療法です。治療者は、患者といっしょに治療の目標を決めていきます。治療者が一方的に、治療の目標を決めることはありません。
B心理教育を行います。心理教育とは、認知行動療法のしくみと症状の正しい知識について、治療者が患者にわかりやすく説明することです。
C認知行動療法は、うつ病などの心の病気や家族の問題の解決など、いろいろな分野で使われています。そのため、認知行動療法ができる人でも、強迫性障害に対しての治療ができているとは限りません。

 
 

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