世間一般に、強迫性障害になる人は、几帳面、完全主義、細かいことにこだわる、融通性がとぼしい、など共通する「強迫的な性格」を持っているのではないかと思われている節がありますが、じつは、そういう性格はないというのが、現在の精神医学の共通認識です。
かつては、強迫性障害は強迫精神症と呼ばれていました。神経症というのは、心理的な要因が原因になって生じる心身の病気をいいます。つまり、上記にあげたような強迫的な性格が原因となり、病気が発症すると考えられたのです。
現在では、強迫的な性格が極端に強く、そのために著しい苦痛があったり、他人や社会との関係で問題が多い場合は、強迫性パーソナリティ障害として診断され、強迫性障害とは区別して考えられています。強迫性障害は生まれ持った性格のため強迫性障害になることはありません。
|