自分のせいで、人に危害を与えてしまわないかと、苦しむのが加害不安です。危害といっても、人に大けがをさせてしまうのではないかといったものから、家族や会社、社会全体に、取り返しのつかない大きな損害や迷惑をかけてしまうのではないかといったものまで、その不安の内容は幅広くさまざまです。
たとえば、車の運転をしていて、気が付かないうちに人をひいてしまったのではないかと不安に苛まれて確認に戻るなど・・・。赤ん坊を抱いている女性を見て、突如としてその子供を掴んで投げてしまったり、落としたりするのではないかというような、常軌を逸した行為をするのではないかという恐怖・・・も含まれます。
加害不安に苦しむ人は、実際には何もしていないので、何度確認しても危害を加えた事実はみいだせません。しかし、不安は消えず「自分が気づかなかっただけだ」とかえって不安が高まっていくことがあります。こうして際限のない、確認行為が始まってしまうのです。また、加害不安を経験した場所には近寄らないなど、回避の傾向も多くみられます。
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