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強迫性障害の治療は

強迫性障害とは〜症状と治療〜

強迫性障害の診断

 強迫性障害の診断は、おもに次の2つの診断基準が用いられています。どちらも国際的に広く使われているものです。医師は診察の結果を、これらの診断基準に照らし合わせ、強迫性障害であるかどうかを診断します。

DSM
アメリカ精神医学会による、精神疾患の分類と診断の手引きです。症状の現れ方によって病気を分類するもので、数年ごとに改定されています。現在、強迫性障害は「不安障害」の一つとして分類されています。

ICD
世界保健機構による疾病分類。統計に基づきDSMと似た考え方分類しています。現在、強迫性障害は「精神性障害、ストレス関連障害および身体表現障害」のひとつに分類されています。


強迫性障害の判断基準
DSM-IV-TR 精神疾患の分類と診断の手引き」


A.強迫観念または強迫行為のいずれか。
(1)、(2)、(3)、(4)によって定義される強迫観念:
(1)反復的、持続的な思考、衝動、イメージのいずれかで、それらは障害が生じている間に、侵入的で不適切なものとして体験され、強い不安や苦痛の原因となる。
(2)その思考、衝動、イメージは、単なる現実生活の問題についての過剰な心配ではない。
(3)その人は、その思考、衝動、イメージを無視、抑制、何か他の思考または行為によって中和しようと試みる。
(4)その人は、その強迫的な思考、 衝動、イメージが(思考吹入のように、外部から強制されたものでなく)自分自身の心の産物であると認識している。
(1)、(2)によって定義される強迫行為:
(1)反復行動(例:手を洗う、順番に並べる、確認する)、または心の中の行為(例:祈る、数を数える、声を出さずに言葉を繰り返す)があり、それらは強迫観念に反応して、もしくは厳密に適用しなくてはならない規則に従って行うよう駆り立てられている感じがする。
(2)その行動や心の中の行為は、苦痛を予防したり、緩和したり、または何か恐ろしい出来事や状況を避けることを目的としている。しかし、この行動や心の中の行為は、それによって中和したり予防したりしようとしていることは現実的な手段として筋が通っていない、もしくは明らかに過剰である。

B.障害の経過のある時点で、強迫観念または強迫行為が、過剰もしくは不合理であると認識したことがある。(注)これは子供には当てはまらない。

C.強迫観念または強迫行為は、著しい苦痛を生じ、時間を浪費させ(1日1時間以上かかる)か、通常の生活習慣、職業(または学業)での機能、日常の社会活動や人間関係への無視できない妨げがある。

D. 別のT軸(精神の臨床疾患)の障害がある場合、強迫観念または強迫行為の内容は、それに制約されたものではない。
(例:摂食障害がある場合の食物へのとらわれ、抜毛癖がある場合の毛抜き、身体醜形障害がある場合の外見への心配、物質使用障害がある場合の薬物へのとらわれ、心気症がある場合の重篤な病気にかかっているというとらわれ、性嗜好異常がある場合の性的な衝動もしくは空想へのとらわれ、大うつ病性障害がある場合の罪への黙考)。

E.障害は、物質(例:乱用物質、投薬)または一般の身体疾患による、直接的な生理学的作用のためではない。


 
 

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