強迫症状をひとりで背負い込む人もいますが、家族を巻き込んでしまう人もいます。強迫性障害は、自分ひとりで強迫症状を繰り返す「自己完結型」と家族の協力を強要する「巻き込み型」の2つに大別されます。
とりわけ家族の負担が大きいのが、「巻き込み型」です。たとえば、汚染への不安のため、本人が考えるきれいな場所と汚れた場所との区別を、家族にも守らせたりします。こうなると、家族の生活にも支障がでてきます。本人のエスカレートしていく要求に振り回され、家族は疲れきってしまいます。
本人が強迫症状に苦しんでいるとき、家族として、なんとかしてあげたいという気持ちは無理もありません。しかし、本人の求めに応じて家族が協力しても、本人の不安は一時的にしか解消されません。家族が強迫行為を手伝うことは、本人が強迫行為をするのと同じ結果になるので、長い目でみると、かえって症状を悪化させてしまうことになります。
|