1980年代に入り、脳神経科学が進歩するにつれて、心の病気は心理的なものでなく、脳内物質の働きが悪くなることに原因があるということがわかってきました。強迫性障害は、脳内の神経伝達物質のひとつである、セトロニンの代謝に関係があるといわれています。
脳の中には神経細胞がたくさん張り巡らされています。神経細胞と神経細胞の間には、わずかなすきまがあり、神経伝達物質を使って隣の細胞に情報を伝えます。強迫性障害は、その神経伝達物質のひとつであるセトロニンが十分に機能していないことが発症に関係していることがわかってきました。
セトロニンは、神経細胞から放出されて、次の神経細胞に情報を伝え、また元の神経細胞に戻ります。神経細胞間には、自由に活動できるセトロニンが存在しますが、強迫性障害の人は、このセトロニンの量が少ないとされています。
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