家族として一緒に生活していれば、当然、親の性格や物の考え方、生活のスタイルが子どもに影響します。親の育て方は、子どもの性格、行動に影響を与えますが、それが強迫性障害を発症させる原因として特定することはできません。
むしろ、家族の関係は、強迫性障害を発症したあとの症状に影響を与えることが多いのです。たとえば、家族全員が緊張の多い生活を送っていたり、本人の自我が育ちにくい環境になっていたりすると、それが、発症後の強迫症状に悪影響をおよぼすことがあります。
また、家族が本人にかわって何でもしてあげている家庭や、本人のしたことを批判ばかりしている家庭では、本人の自信が育ちにくくなり、強迫行為をますますエスカレートさせてしまうことがあります。
このように、強迫性障害を発症したあとに、家族の影響が症状を悪化させてしまうケースは考えられますが、親の育て方が発症の原因になることはないと考えられます。
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