近年、強迫性障害を発症する主な原因は、脳の機能障害=生物的要因にあることがわかってきました。
精神医学の進歩により、画像技術を駆使して、脳の活動を見ることができるようになりました。脳のどの部分が、人間のどんな精神活動に関係しているかが、次第にわかるようになってきました。
その結果、強迫性障害の人の脳は、ふつうの人の脳と比較して、特別な変化があることがわかりました。強迫性障害の症状が出ているときは、脳から間違った指令がでていたのです。強迫性障害の人は、脳神経回路の誤作動によって、実際は危険でないことを、危険だと思わされていたのです。
これにより、強迫性障害は脳の働きに関連した病気であり、その人の性格や、環境、心理、社会的要因が、直接の原因ではないことがわかりました。ちなみに、このように病気とその人の人間性を切り離して考えることを「外在化」といいます。
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