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強迫性障害の治療は

強迫性障害とは〜症状と治療〜

強迫性障害と併発する病気

 強迫性障害の半数以上が他の病気を併発しているとも言われています。強迫性障害の人が、二次的に別の病気を発症することもあれば、ものもと他の病気にかかっていた人が強迫性障害を併発する場合もあります。強迫性障害と併発しやすいおもな病気には、うつ病に代表される気分障害、パニック障害、社交不安障害などの不安障害、アルコールや買い物、薬物、ギャンブルなどに依存する依存症などがあります。

うつ病
強迫性障害と並存する精神疾病のうち、もっとも多いのがうつ病です。強迫性障害の人の約20〜30%が、うつ病を併発しているといわれています。うつ病の症状としては、気分が落ち込む、食欲がない、頭が重いなどの身体的症状が出てくるのが特徴です。強迫観念に悩まされ、手を洗ったり、確認するなどの強迫行為に、時間とエネルギーを取られ、生産的なことをしたり、楽しく過ごす時間が減ってしまっている強迫性障害の人が、うつ病にかかりやすいというのは、容易に理解できることです。
 強迫性障害とうつ病の共通点は、どちらも脳内の神経伝達物質がうまく働かないことが原因のひとつになっています。うつ病も脳内のセトロニンやノルアドレナリンなどの神経伝達物質が減少して発症することがわかっています。

パニック障害
パニック障害は強迫性障害と同様、不安障害に分類されており、強迫性障害の人の1〜2割に合併症があると報告されています。体の病気でないのに、突然心臓がドキドキして、呼吸困難に陥るなどのパニック発作に襲われる病気です。電車や飛行機のなか、人ごみなどで発作をおこすことが多いようです。
 一度発作を起こすと、また起こるかもしれないという不安から、パニック発作が起きそうな場所を回避する人がいます。強迫性障害の人も、強迫症状の起きそうな場所を回避する人がいますが、それと似ています。しかし回避は、症状の根本的な解決にはならず、回避の習慣が長引くと、なおさら苦痛や恐怖が増すという悪循環になりがちです。
 パニック障害は脳内のセトロニンやノルアドレナリン、ギャバという3種類の神経伝達物質が関係するといわれています。治療には、これらの神経伝達物質に働きかける薬物療法と認知行動療法が有効とされています。

社交不安障害
強□迫性障害と共存する疾患で、もっとも多いのはうつ病ですが、社交不安障害を併発している人も少なくありません。社交不安障害とは、大勢の人の前で話したり、人に見られながら何かを行うことへの不安や恐怖が非常に強く、生活に支障をきたしてしまう病気です。従来、性格の問題とされてきたこのような症状が、病気と認識され、治療の対象になったのは近年のことです。つい最近まで「社会不安障害」という名称で呼ばれていましたが、2008年より「社交不安障害」と名称が変更されました。

恐怖症、強迫性パーソナリティ障害
恐怖症とは、ある特定の物や状況に対して、極度の不安を抱く障害です。不安という共通要素で、強迫性障害と恐怖症は、よく間違われることがあります。しかし、恐怖症の人が恐れるのは、高いところや密閉空間など、具体的な物や場所であるのに対し、強迫性障害の人が恐れるものは、汚れや他人を傷つける衝動など、抽象的なものであるところが異なります。完全主義で、秩序や厳密さを好む人がいます。それが周囲が、困るほどに極端な場合、強迫性パーソナリティ障害と呼ばれます。一見強迫性障害と似ています。しかし、強迫性パーソナリティ障害の人は、それが本人にとって望ましいことであるのに対し、強迫性障害の人は強迫行為が楽しいわけでなく、不安でやめられないというところが異なります。

 
 

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強迫性障害と併発する病気