子供のケガ

子供の病気と応急手当

はじめてママ&パパのしつけと育脳 ― 0-3才までに絶対しておきたい「脳育て」のコツがよくわかる! (実用No.1シリーズ)

 

 

溺れた

 幼児以上の子どもの死亡原因の第一位は不慮の事故で、幼児で多いのが水の事故です。池や川だけでなく、小さな子どもは水溜りや洗面器、バケツの水でも顔をつけて窒息することがあります。

 一番多いのは、水が肺の奥まで入って窒息する場合ですが、声帯付近のけいれんのため肺にあまり水が入らないのに窒息したり、冷たい水に触れて反射的に心臓が止まってしまう場合もあります。いずれの場合も酸素欠乏のため意識がなくなり、長く続くと脳の細胞が障害されます。

 肺から取り入れる酸素の5分の1は脳で使われますので、酸素不足のときは真っ先に脳がやられます。ふつう3〜6分間無酸素状態が続くと脳障害が起こるといわれますが、冷たい水に溺れて体温が低下したときは、脳の代謝も低下して酸素の消費量も少なくなるために、20〜30分以上も心臓が止まっていても回復した例もあります。水に溺れたときに体に起こる変化としては、酸素不足による脳のはたらきの障害、それが続くと脳の組織の障害がはじまります。

 応急処置を始める前に、まず見るのは呼吸をしているか、心臓は動いているかの確認をします。呼吸していなければすぐ人工呼吸を始めます。水を飲んでおなかがふくれているときは手早く吐かせますが、これに時間をとられてはいけません。耳を直接心臓にあてて心拍の音を聞いてみます。呼吸が止まっていて、瞳孔が大きく開いているようなら心臓も止まっていると考えなければなりません。心臓が動いていない時は、人口呼吸といっしょに心臓マッサージを行います。まず、人工呼吸を2、3分して、もう一度心臓の動きを確かめます。口びるや顔色が少しでもよくなったら、心臓が動いている証拠です。手首や首、股のつけねでの動脈の拍動は正常でもわかりにくいので注意が必要です。
 
最新決定版 0~6才 赤ちゃんと子どもの病気とホームケア (暮らしの実用シリーズ)