子供の病気

子供の病気と応急手当

はじめてママ&パパの離乳食 (実用No.1シリーズ)



 

下痢

 子どもの下痢の多くは細菌やウイルスによるものです。ウイルスには主に夏に活躍するもの、冬に多いものがあります。夏かぜの主な原因はエンテロウイルスですが、下痢をおこしてもあまり重くなりません。一方、冬の乳幼児の主な原因であるロタウイルス感染症の場合は、嘔吐に続いて水のような脱水症をおこしやすく、3分の1ぐらいの子どもでは便が白くなるという特徴があります。

 このようなウイルス性の下痢には、抗生物質などを使う必要はなく、適切な量の水分、塩分を補給し、あとは食事に少し気をつける程度で、簡単に治すことができます。

 細菌性の下痢の原因としては、サルモネラ、赤痢、病原大腸菌、腸炎ビブリオなどが知られています。特にサルモネラは食中毒の代表的原因菌で、イヌ、ねこ、ミドリガメなどから感染することもあります。

 治療はウイルスと違って細菌には抗生物質が有効ですが、使わなくても治る場合も多く、また、サルモネラのように重症以外は使わないほうがよいとされているものもありますので、原因の菌をきちんと診断する必要がありますので、血液検査などをして原因菌を調べなければなりません
 
下痢の治療
 下痢の多くは、感染症、特にウイルスによるものです。ウイルスには抗生物質は効きませんので、治療は対症療法(症状の緩和を行う)になります。水分と塩分の補給は下痢の治療には最も大切なことで、特に抗生物質の効かないウイルス性の下痢では、水分と塩分を適当に補給してやると、あとは自然に食欲もでて治っていくのが一般的です。

 また、離乳前の赤ちゃんで母乳の場合は嘔吐のあるあいだは水分だけにして、おさまってきたらふだんよりやや少なめに与えて様子をみます。人工栄養の場合は濃度、量をふだんの半分から3分の2くらいにして、足りない分は水分で補うようにします。

 離乳食は前段階に戻したり、一時中止をして様子をみます。年長児の場合は、おかゆ、うどん、やわらかい副食にしますが、食欲が低下していることが多いので、無理には与えず不足は水分で補います。また吐き気、嘔吐が烈しいときには、絶食にして水分を少しづつ与えますが、水分も受け付けないときは病院で点滴をうけたほうが早く治ります。

下痢便
 赤ちゃんや子どもはよく下痢便をします。下痢便とは、ふだんより水気の多いゆるい便、ゆるくて悪臭のある便などをいいますが、下痢便といってもあまり心配のないものから要注意のものまでいろいろあります。
母乳栄養の赤ちゃんは、下痢便としか思えない便を1日に何回もすることがあります。生後2〜3ヶ月に多いのですが、その後も続くことがあります。心配な下痢かどうかを見分けるコツは、赤ちゃんの機嫌と体重の増え方をみることです。機嫌がよく、体重が順調に増えていれば下痢便が1日何回あってもあまり心配いりません。

 要注意の下痢便は、機嫌、食欲がわるく、熱があったり、体重が減る場合です。むかつくような悪臭のある下痢便は細菌性下痢便と考えられ、早に治療する必要があります。

 正常便の色は胆汁中の色素(ビリルビン)が腸内細菌の還元作用を受けてできる緑色をしています。黄色い便も放置しておくと自然に緑っぽくなることもあります。離乳期以後になると、野菜の一部がそのまま便に出たりしますが、私たち人間はもともと植物繊維を消化吸収できないので、便の中にそのまま出てくることがよくあります。ですから、前の日に食べたトマト、にんじんなどの赤い色の食べ物や抗生物質を飲んだあと、「便に血が混じっている」と勘違いするようなこともあります。
 

はじめてママ&パパの離乳食 (実用No.1シリーズ)