子供の病気

子供の病気と応急手当

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発 疹

 発疹とは目に見える皮膚の病気です。子どもにはいろいろな発疹ができます。発疹はいったんできたあとで、ちがった形に変化することが多くあります。最初に出る発疹にはいくつかのタイプがあります。

平らな発疹
紅斑・・・皮膚の毛細血管の拡張のため、赤い斑点になっているものです。単なる充血ですので圧迫すると消えます。はしか、風疹、突発性発疹、猩紅熱(しょうこうねつ)などがあります。

紫斑・・・皮膚の組織内に毛細血管から出血がおこったものです。はじめは真っ赤ですが、そのうち紫っぽくなります。出血ですので圧迫しても消えないので紅斑と区別できます。

色素斑・・・皮膚の色素がふえて、青や、褐色あるいは黒くなっているものです。ほくろや赤ちゃんの蒙古斑などがあります。

白斑・・・色素がなく白っぽくなっているものです。

丘疹・結節・・・皮膚から盛り上がっているもので、えんどう豆くらいのものを丘疹(きゅうしん)、それより大きいものを結節(けっせつ)といいます。

じんま疹・・・皮膚のごく一部分のむくみで、境界がはっきりと盛り上がっているもので、多くはかゆみがあり、短時間で消えます。

水疱・・・ほぼ透明な液体がたまって盛り上がっている発疹です。水疱の初期や手足口病などにみられます。

膿疱・・・水疱の内容が黄色くなり、うみになったものです。水疱、とびひ、などにみられます。

はしか
昔はだれもがかかり、死ぬ子も多かった病気です。はしかの特徴は、高い熱とはげしいせきが続く病気です。抗生物質が使える現代でも症状は昔とほとんどかわりません。症状はせき、くしゃみ、鼻水、目やになどとともに熱がではじめます。この時期は3、4日続き、はじめの2、3日はふつうのかぜとまったく区別できません。口の中を見て、ほほの粘膜に赤いふちどりのある小さな白い斑点があるのがはしかの特徴です。はしかの発疹は不規則な形の紅斑で、大きさは米粒大からえんどう豆ぐらいで、そのうちところどころ集まって大きな紅斑になります。かかると結構厄介な病気なので、予防注射をする必要があります。
 治療は対症療法が主です。症状に応じて、せき止めや解熱剤などを使用し、脱水や、ビタミン欠乏になりやすいので、水分や栄養の補給に気をつけます。また、細菌の二次感染を引き起こしやすいので抗生物質も服用します。

風疹
 3日はしかとも言います。風疹ウイルスに感染することで発症する病気です。ウイルスに感染し、症状があらわれるまでの期間は約2〜3週間かかります。症状は、発熱と同時に全身に赤い発疹があらわれます。発疹は顔、首、耳の後ろからあらわれ全身にひろがります。発熱、発疹は1〜4日でおさまります。一般的に4〜10歳の小児に多くみられますが15歳以上の人が風疹にかかると症状が重くなり、頭痛、関節炎、脳炎、皮下の内出血などの合併症があらわれる場合もあります。一度かかると一生免疫が続くと考えられています。

突発性発疹
 2歳以下の子どもがかかる、あまり心配のない発疹です。高い熱が続いたあとに風疹のような紅斑がでるのが特徴です。下痢やときには熱性けいれんをおこすこともありますが、重い合併症はありません。

リンゴ病
 顔の両方の頬に広範囲にわたって真っ赤な紅斑がでるのでリンゴ病とも呼ばれています。続いて上肢、大腿などに紅斑があらわれ、地図状、網の目状になり、数日から1、2週間で消えます。潜伏期間は1、2週間です。熱やほかの症状はあまりありません。

単純ヘルペス
 単純ヘルペスウイルスは潜伏感染をするので有名です。初感染でも大部分は無症状ですが、一部は歯ぐきや口のなかにびらんや潰瘍をつくり、痛みのためにしばらく食べられません。また口びるのまわりの皮膚に水疱ができ、かさぶたになります。歯肉口内炎は初感染の代表的な症状ですが、ウイルスは感染後、神経節に潜んでいて、かぜや疲れたときなどに活動をはじめ、口唇ヘルペスをつくったりします。

水痘
 水疱は発病後しばらくすると紅斑、丘斑、水疱、膿疱、かさぶたといろいろな段階の発疹がみられること、数は少なくても体のあちこちにあることで、発疹だけみて診断できる病気の一つです。初期でもあちらこちらにあることが特徴で、腕など体の一部にしかないときは、とびひ、虫刺されなどのほかのものを考えるか、1日様子をみる必要があります。潜伏期は2、3週間で、伝染力は強いほうで、兄弟のうち1人がかかるとたいてい感染します。

帯状疱疹
 水痘ウイルスは単純ヘルペスウイルスと同じく、潜伏感染をおこす代表的なものです。潜伏感染は無症状のまま微生物が体にひそんでいる状態で、水痘の場合、子どものときにかかったあと、ずっと神経節にひそんでいて数十年後に帯状疱疹をおこします。発疹は帯状にでますが、これはウイルスがひそんでいた神経節と同じ神経の支配域に病変がおこるためで神経痛もみられます。子どもでも帯状疱疹になることがありますが、その場合まだ免疫のつきにくいは赤ちゃんの時期に水痘にかかったり、副腎皮質ホルモンなど免疫力が低下をする薬をのんでいたり、免疫力の低下する病気にかかっているなどの理由があるのが普通です。

手足口病
 手のひら、足のうらに米粒のような水疱ができ、口の中にもできて痛んだりします。手や足のほかの部分にも発疹ができることがあり、中には発熱、時には髄膜炎などの神経合併症もあります。口の中が痛くて食べられないときに、食事に気をつけるくらいで、特別な治療いりません。発疹は1週間くらいで治ります。

水いぼ
 1〜5mmくらいの大きさの半球状で、大きいものでは中央が少しくぼんでいます。体のところどころにあり、爪で掻いたりするとほかのところにも出ます。ピンセットでつぶすと白いものが出て、その中にウイルスがいます。半年から1年以内に自然に治ります。

紫斑
 皮膚や粘膜内の出血によって肌の上にできる赤紫色のまだらまだらを紫斑といいます。子どもで一番多く見られる紫斑は、ひざやすねなどを打ったときに、紫色のあざができるというものです。なにかにぶっつけて下腿などにできる紫斑はふつう1〜2cm、あるいはそれ以上の大きさで、数は1ないし数個以内、ほかに症状はなく自然に消えます。
 
しかし、同じ下腿でも米粒大から小豆ぐらいの大きさの紫斑が急にいくつもできたときは要注意です。少し盛り上がっていることもあり、じんま疹、関節痛、腹痛などを伴うことが多く、紫斑も下肢からお尻にかけ、あるいは前腕やその他にもみられたりします。これはアレルギー性紫斑病といい、子どもに多い病気の一つです。紫斑その他の症状はたいていそのうちに治りますが、半数ぐらいに腎炎がみられ、なかには長引くものもあるので厄介です。紫斑が消えても1ヵ月くらいは体育や激しい運動は止めて、しばらくは尿検査などをするようにします。
 また、体の一部でなく全身のところどころに紫斑があるときは何か病気があることが多く、特に貧血とか黄疸のあるときは、重い病気のことがありますので、必ず医師の診断を受けるようにしてください。

じんま疹
 じんま疹はアレルギー性疾患、アトピー性疾患のひとつですが、原因はアレルギーによるものと、そうでない場合があります。いずれの場合も皮膚の真皮の比較的浅い部分の血管の拡張と透過性亢進があるために、その部分の血液流量がふえて皮膚が赤くなるとともに、血液の液体部分が組織へしみでてくるために、赤くなった皮膚が一様に盛り上がり膨疹(ぼうしん)という、かゆみの強い状態になるのが特徴です。
 

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