子供の病気

子供の病気と応急手当

はじめてママ&パパの離乳食 (実用No.1シリーズ)



 

吐いた

 子どもの吐く原因はさまざまです。幼児以上の子どもが吐くときは、緊急手術が必要な、小腸、大腸の病気があるかどうか、また髄膜炎、頭蓋内出血などの頭の病気があるかどうかがまず問題になります。そういう病気がなく、また意識障害などがなければ、吐くことはそれほど心配ありません。

 緊急手術の必要がある小腸、大腸の病気の場合は、必ず腹痛はあり、食欲、元気がなくなります。また髄膜炎、頭蓋内出血などの頭の病気の場合は、頭痛、けいれん、意識障害などがあり、いずれの場合も「ただごとではない」という感じがします。その他、緊急を要するものの中には、幼児が異物を飲み込んで食道をふさいでいるために吐くこともあります。

 このような緊急の手当ての必要なものを除くと、幼児以上の子どもの嘔吐で一番多いのは、かぜ、咽頭炎、気管支炎などの気道感染にともなう嘔吐です。のどを刺激すると嘔吐反応がおこりますが、このような場合の嘔吐は長くは続かないので吐き気止めなどを使う必要はあまりなく、食べ物や水分は一度にたくさんやらないようにし、消化のよいものを少しずつ与えるようにします。

 また、幼児、学童期の嘔吐で多いものに「自家中毒症」といわれるものがあります。朝起きたときから元気がなく、そのうち吐きはじめて何も受けつけず、ぐったりしてしまいますが、多くは1〜3日でおさまります。これは疲れや、精神的緊張などが誘因となることが多いので、吐きはじめは安静にし、よく眠らせることが大切です。そのあと果汁や砂糖水などを少しずつ与えて様子をみます。軽いときはそれで治りますが、吐き気、嘔吐が続くようなら診察してもらう必要があります。

 赤ちゃんが吐いた
 子どもはよく吐きます。特に赤ちゃんは異常がなくても吐くものです。生後2ヶ月頃までは、母乳や粉乳を飲んだあとすぐだったり、一時間もしてからだったりしますが、飲んだ乳をよく吐きます。吐き方には、口のはしからダラダラだすのと、勢いよく吐きだし、時には鼻からもでたりします。

 
生後数日から一週間以内にたびたび吐くときは、消化管の先天奇形なども考えられますが、多くは数日でおさまります。ダラダラとして出るのは、胃から食道に逆流した乳が口まででてきた場合や、乳を飲みすぎたり、腹部を圧迫したりした場合に起こりやすく心配のないものです。

 また、哺乳のとき空気もいっしょに飲み込んでいて、ゲップをさせようとするときなど勢いよく吐いたりします。ゲップをうまくださせるためには、赤ちゃんの体をおこして背中をたたいたり、哺乳後一時間ぐらいはうつぶせに寝かせて様子をみます。哺乳のたびに乳を吐いたとしても、機嫌がよく、体重増加が順調ならば、まったく心配ありません。赤ちゃんは余分な乳を吐き出して、適当に調節しているとも考えられます。また、嘔吐には、かぜ、咽頭炎、上気道炎などの場合にもよく吐きますが、もとの病気がおさまると吐かなくなります。

 病的な吐乳は、体重増加が止まったり、かえって減るような場合です。そのような場合は「幽門狭窄症」という病気の疑いもあります。幽門狭窄症は胃から十二指腸へ移る部分の筋層がはれて通過障害をおこすために吐く病気です。ふつう生後2〜3週ころから吐きはじめますが、それ以前、あるいはそのあとから症状がはじまる赤ちゃんもいます。幽門狭窄症は実際には多くはありません。
 

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