ネコは食事のあとに、必ずといってもいいほど、舌をめいっぱい伸ばして、口のまわりをペロペロ舐め回します。
ですので、飼い主には内緒でこっそり何かをたべてきたときにも、この舌なめずりですぐにバレてしまいます。
実は、この行為は「ああ、おいしかった」という意味ではありません。
野生時代のネコの食事を想像して見てください。獲物は捕獲の瞬間まで生きていた、新鮮そのものの小動物です。
食べれば、口のまわりに血液や肉の小片などがついてしまいます。食事が終わったら、すぐに口の回りについたものをきれいに落としておかないと、匂いが取れず、次の狩りに差し支えます。また、ほかの動物に自分が狙われることになりかねません。
一見、舌なめずりのようなこの行為は、口のまわりのよごれを取り、同時に獲物の匂いをとり除いて、安全を確保するものだったのです。
同じネコ科の動物でも、ライオンやヒョウなどは、ネコほど神経質に、獲物のにおいを取ろうとしません。
これは力に自信があるからでしょう。ネコは体が小さいため敵に襲われやすいので、匂いも敏感でなければならないのでしょう。
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