お買い物をしたダンボールなどを置いて、ちょっとその場から離れたすきに、ネコがすっぽりもぐりこんでいることがあります。
ネコのほうが大きいくらいなのに体をまるめて上手に入っています。これはネコの本能によるものだと考えられています。
もともと野生時代のネコは、自分の体がどうにか入るくらいの木の洞や岩のすき間などにもぐり込んで寝る習性がありました。そうすれば外敵に寝込みを襲われる可能性が小さくなるからです。
ねぐらに最適な穴を見つけると、まず、中をのぞいて他の動物がいないかどうかを確かめて、安全だとわかると、鼻を突っ込むようにしてもぐりこみます。
中に入ると体の向きを変えて入口方向に頭を向けます。これは、外の様子を見るためであり、また、いざとなったら、いつでも逃げ出すためです。
そして、何回かくるくると回ってから本格的に眠るのもネコ特有の習性です。くるくる回って、いちばん安定し、寝心地のよいポジションを見つけているのでしょう。
自分の体よりも小さいのでは?と、思うくらいの箱の中で寝ているネコを見て「窮屈そうだから、こっちの広いところで寝なさい」などと引っ張り出すのはネコにとってはよけいなお世話です。
どうにか体が収まるくらいの小さなスペースであればあるほど、ネコにとっては安眠の場なのです。
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