ぜんそくの治療

ぜんそくの症状・原因・治療

ぜんそく発作が起こったときの対処

  ぜんそくの発作前には「ちょっとゼイゼイしてきた」、「胸がつまった感じがする」、「せきがでてきた」などの前兆があります。この前兆を確認したら、といあえずβ2刺激薬を1〜2パフ吸入し、静かにして様子をみます。それでも、発作がおさまらない場合には20分おきに1〜2パフずつ吸入し、1時間の間様子をみます。この処置で、さらに3〜4時間の間にピークフロー値が予測値の70%にまで改善していれば、そのまま自宅で安静にしていれば大丈夫です。しかし、ピークフロー値が予測値の70%にまで改善しなかった場合には、もう一度だけβ2刺激薬を吸入します。ここから3〜4時間の間に値が改善されていれば、そのまま自宅にいてもかまいませんが、これでもβ2刺激薬の効果があらわれず、繰り返しβ2刺激薬の吸入が必要な場合には、急いで救急外来を受診してください。

 また、次のような場合には「β2刺激薬を吸入して様子をみる」というような余裕はありません。飲み薬のステロイド剤を服用したうえで、ただちに救急外来を受診してください。
○呼吸が苦しくて動けず、歩くこともできない。また会話することも困難であるというような大発作が起きた場合
○気管支拡張剤を用いても3〜4時間のうちに症状がおさまらない。ピークフロー値が予測値の70%にまで改善しない
○症状を抑えるためにβ2刺激薬が1〜2時間おきに必要なとき。
○β2刺激薬を吸入しても発作がだんだんひどくなっていくとき

 β2刺激薬
 β2刺激薬はもっとも強い気管支拡張作用を持つ薬剤です。気管支ぜんそく発作を押さえるためにはなくてはならない薬です。しかしぜんそくの本態である気道炎症を抑える効果はないので使い方には気をつけなければなりません。この薬にばかり頼っていてはだめで、一部の軽症の患者さんを除いては、必ず抗炎症作用のある薬、ステロイド薬や抗アレルギー薬と併用します。剤型には内服薬、注射薬、貼付薬と吸入薬があります。β2刺激薬の副作用としては動悸、手指などの細かい震え、脱力感、頭痛、低K(カリウム)血症などがあります。心臓に病気を持つ人は気をつけて使用しなければなりません。