ぜんそく(喘息)について

ぜんそくの症状・原因・治療

ぜんそくの原因

 口や鼻から肺までの空気の通り道は、まず気管に入り、それが左右にわかれて「気管支」という名前になります。さらに枝分かれしていき、肺胞という小さな風船のようなところに達します。この肺胞には血管がはりめぐらされていて、その血管と肺胞の間で、酸素と二酸化炭素の交換が行われます。これが呼吸です。

ぜんそくの発作のとき、なぜ呼吸困難が起こるのかというと、空気の通り道である気管支、それも枝分かれをしていってもともと細い気管の部分がさらに細くなるからです。
気管支はチューブのようなものです。その外側は「気管支平滑筋」という筋肉で囲まれています。そして、内側が粘膜です。気管支をとりまいている「平滑筋」は気管支の太さがちょうどよくなるように、その緊張の度合いがいつも自動的にコントロールされています。

 ところが、ぜんそくの子どもの場合は、その自動コントロールがうまくいかなくなり、気管支へのいろいろな刺激によって平滑筋が縮むということが起こります。すると気管支は外側から締め付けられている状態になり、細くなってしまいます。これが発作の始まりです。平滑筋が縮んで、発作が起こると、しだいに気管支の内側の粘膜がむくんできます。平滑筋が縮んだうえに、内側の粘膜も腫れてくれば、空気の通り道はさらに細くなり、呼吸が苦しくなってくるわけです。

 もう一つ、気管支に起こるのは「痰(たん)の増加」です。これは気管支粘膜の炎症の結果として起こりますので、発作の初期よりもしばらくしてから現われます。ただでさえ細くなっている気管支に痰がつまれば、より苦しくなります。ひどい場合には肺の一部にまったく空気が入っていかない状態になってしまうこともあります。


 このように、ぜんそくは気管支平滑筋が収縮する→粘膜がむくむ→痰が増えるという変化が順番に起こってきます。発作のときに使う薬は状態の変化に応じて違ってきます。気管支平滑筋の収縮に対しては、「気管支拡張剤」、粘膜の腫れが特にひどい場合には「ステロイドホルモン剤」、痰が増えてきた場合には「去痰剤」を使用します。