ぜんそく(喘息)について

ぜんそくの症状・原因・治療

ぜんそく喘息)とは

 息が喘(あえぐ)と書くぜんそくは、のどがゼイゼイ鳴ったり、咳や痰(たん)が出たりして呼吸が苦しくなる病気です。慢性的なぜんそくの人の気管支は粘膜がむくみ痰もたまっています。そのため健康な人に比べて気道が狭くなって空気が通りにくくなっています。炎症がおこっている気道はとても敏感になっていて、正常な気道ならなんともないホコリやタバコ、ストレスなどのわずかな刺激でも狭くなり、発作がおきてしまいます。

 ぜんそくの主な原因は、室内のダニの糞や死骸、ペットの毛やフケ、カビなどによるアレルギー反応です。これらのアレルゲンが気管支に侵入すると、免疫反応が起こり、異物を排除しようとします。それによって、気管支粘膜の肥満細胞が活発になり、ヒスタミンやロイコトリエンなどの化学物質が放出されるため、気管支が収縮したり、粘膜がむくんだり、粘液の分泌が過剰になって痰(たん)が多量にたまり、気道が狭くなってしまうのです。このほか、風邪などによる呼吸器感染症、タバコの煙、冷気、運動、ストレス、気象の変化など、さまざまな刺激がぜんそく発作の引き金になります。

 気管の炎症は、初期のうちは自然に、もしくは治療によって元に戻ることがあります。しかし炎症を放っておくと、気道の粘膜に変化が起こり、気道が狭くなったまま元に戻らなくなってしまいます。そのため、治療がますます困難になってしまうのです。ぜんそくは早期に治療を開始することが重要です。


 
子どものぜんそくは、6歳までに発症することが多く、その9割以上がダニに対するアレルギーを持っています。ぜんそく患児の約6〜7割は、12〜13歳頃までに治るといわれていますが、思春期にもち越したり、大人になって再発したりすることもあります。また40〜60歳代で初めて発症する人も少なくありません。