ぜんそくの治療

ぜんそくの症状・原因・治療

ぜんそくの治療は「先手必勝」

 ぜんそく患者の気道は炎症を起こしているため、狭くなったり、ふさがったりします。そのためゼイゼイしたり、せきが出たり、発作が起こったりして、ときには日常生活に支障をきたしてしまいます。ぜんそくの治療は、患者がこのようなつらさからできる限り開放され、ごく普通の日常生活を送れることを目標としています。この目標が達成された状態を「ぜんそくをコントロールできている」といいます。

 軽症のぜんそくには間欠型と軽症持続型があります。間欠型は年に数回、季節の変わり目などにせきや軽いゼイゼイあるいはヒューヒューという呼吸音がでる程度のもの、軽症持続型は年間を通してしばしば発作が出るものの、月に数回の発作にとどまるものです。

 子どもの軽いぜんそく治療のポイントは、発作の対処にあります。軽症の子どもを持つ親は「まだ軽症だから発作もなんとかできる」、「がまんできるなら、できるだけクスリを使わせたくない」と思われる人がほとんどです。ですがそのような考えは危険です。発作止めは「このままでは悪化しそう」というときに早めに使うのが基本です。がまんをしている子どもは、発作のたびに気管支の過敏性が悪化し、そのために発作の回数も増えて、しだいに重症になってきています。一方、発作の初期に適切な処置をした子どもは、結果的に発作の回数も減って治っていきます。

 気管支ぜんそくは、いつ発作が起こるかわかりません。何ヶ月も発作が起こらなければ、つい油断しがちです。なかでも多いのが、発作の薬を飲んでいなかったために起こった発作です。ふだん、それほど発作が起こらないのであれば、毎日薬を飲む必要なないかもしれませんが、キーワードは先手必勝です。発作のときに使う薬は何という名前であとどれくらい残っているか、をつねに把握しておきましょう。救急で発作が起きたときなども、発作のクスリの名前をきちんと説明できるようにしておくことは、適切な治療を受ける手助けになります。