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自閉症の子どもの特徴

 
ことばの理解が遅い
とばが遅い、会話をしない
 子どもが自閉症ではないかということに、周囲の人が気づくきっかけとして最も多いのが、ことばの問題です。「3歳になったのに、まだ言葉がでてこない」、「自発的に何かを話そうとしない」など、ことばの遅れを心配して健診などで自閉症とわかるものです。

 自閉症の子どもはことばがなかなか出てきません。しかし、ことばの問題は個人差があり、ふつうの子どもより遅れても、やがて少しずつ話せるようになる人もいれば、ことばを発することもなく大人になり、ずっと人と会話をしないまま過ごす人もいます。

 なぜ、ことばが出てこないのか、それは自閉症の子どもが人に興味がなく、関わろうとしないことと関係しています。ふつうの子どもはおかあさんや身近な人が発することばを注意深く聞いて、声のトーンや抑揚から、自分に何を伝えようとしているのか、一生懸命理解しようとします。

 しかし、自閉症の子どもにはそうした興味があまりありません。自分のまわりにいる人とコミュニケーションをとりたいという気持ちにならないため、その手段である「ことば」を覚えたいという欲求もないのです。


音やリズムには反応する
 人と会話をしない自閉症の子どもでも、テレビのコマーシャルで耳にする歌や、ことばをくり返して言ったり、まわりのだれか発したことばをまねて「オウム返し」をすることはあります。

 たとえば、親が「ケーキを食べたい」というと、「ケーキを食べたい?」そのまま繰り返します。しかし、こうしたことばも意味を十分に理解していないことがあります。おそらく、音の響きやリズム、イントネーションのおもしろさにひかれて、声に出して確認しているものと考えられます。

 また、人と話をするときは、ふつうは身ぶりや手ぶりを交えたり、声の調子を変えたりして、自分の感情を表現しますが、自閉症の子どもは、そうしたことば以外の伝達手段も使おうとしません。


自閉症のクレーン現象
 自閉症の子どもは、指差しをしたり、ほしいものがあるとき、ことばで「あれを取って」ということはありません。その代わり、ほかの人の手をつかんで、取ってほしいもののある場所にもっていく動作をする子どももいます。

 これを「クレーン現象」と言います。ほかの人の手を「人の一部」とはみなさず、道具のように使うことからこの名前がついています。
 



人とコミュニケーションを取ろうとしない  変化についていけない 
ことばの理解が遅い  「あいまいなこと」が理解できない 
音や光に敏感に反応する 味やにおいに対するこだわりがある 
同じ行動をくり返す  いきなりパニックになることがある 
相手の気持ちや立場を理解できない  特殊な能力を発揮する子どももいる