自閉症の特徴と症状、原因、治療、接し方についてわかりやすく説明しています。
HOME |
自閉症の子どもの特徴
|
||||||||||
|
||||||||||
![]() |
||||||||||
![]() 名前を読んでも振り向かない 子どもの名前を呼ぶと、たいていの子どもは、元気よく返事をしたり、恥ずかしがったりします。しかし、自閉症の子どもは名前をよばれても返事をしません。また、呼ばれた方を見ることもありません。 それは、知らない人でなくても、身近なおかあさんであっても、振り向いたり、視線をあわせたりすることがほとんどありません。 自閉症の子どもは、親であれ、他人であれ、人という存在に関心が少ないため、だれかから声をかけられても反応しようとしないのが特徴です。 おかあさんの顔色を気にしない ふつうの子どもは少し大きくなってくると、親の顔色を気にするようになります。たとえば、子どもに「おかあさん、やさしい?」と尋ねると、ふつうはとなりにいるおかあさんの顔色をちょっとみてから「うん」というように答えます。 これは、自分の答えによっておかあさんがどのような反応をするだろうか、ということが気になるからです。 このように子どもはふだんから「自分がどんなことをしたら、「おかあさんがどう思うだろうか」、「おかあさんは、自分をどのように見ていてくれるだろうか」と心配で、遠く遊んでいても、おかあさんがどこにいるか確かめておき、その顔をちらちら見ます。おかあさんの表情や視線を確認して、安心したり、不安になったりするものです。 しかし、自閉症の子どもは、おかあさんの表情にも視線にも興味がなく、おかあさんの顔色をうかがったり、視線を気にすることはありません。それは、おかあさんそのものへの関心がないからです。 おかあさんに関心がもてないのは、おかあさんの性格や日ごろの養育態度と関係があるわけではありません。おかあさんに限らず、あらゆる人に関心を寄せないのが自閉症の特徴です。 同年代の子どもとの付き合いが不得意 自閉症の子どもにとっては、同年代の子どもはいちばんつきあいにくい相手です。 自分ことを理解し、不安や緊張におちいらなくてもいいように気をつかってくれる、親や教育者なら比較的安心して過ごせますが、そういう気づかいができない子どもと過ごすことは大きな負担になります。 「子ども同士ならわかりあえる」、「子どもはすぐに友だちになれる」という考えは、自閉症の子どもには通用しません。 ![]() ![]() ことばが遅い、会話をしない 子どもが自閉症ではないかということに、周囲の人が気づくきっかけとして最も多いのが、ことばの問題です。「3歳になったのに、まだ言葉がでてこない」、「自発的に何かを話そうとしない」など、ことばの遅れを心配して健診などで自閉症とわかるものです。 自閉症の子どもはことばがなかなか出てきません。しかし、ことばの問題は個人差があり、ふつうの子どもより遅れても、やがて少しずつ話せるようになる人もいれば、ことばを発することもなく大人になり、ずっと人と会話をしないまま過ごす人もいます。 なぜ、ことばが出てこないのか、それは自閉症の子どもが人に興味がなく、関わろうとしないことと関係しています。ふつうの子どもはおかあさんや身近な人が発することばを注意深く聞いて、声のトーンや抑揚から、自分に何を伝えようとしているのか、一生懸命理解しようとします。 しかし、自閉症の子どもにはそうした興味があまりありません。自分のまわりにいる人とコミュニケーションをとりたいという気持ちにならないため、その手段である「ことば」を覚えたいという欲求もないのです。 音やリズムには反応する 人と会話をしない自閉症の子どもでも、テレビのコマーシャルで耳にする歌や、ことばをくり返して言ったり、まわりのだれか発したことばをまねて「オウム返し」をすることはあります。 たとえば、親が「ケーキを食べたい」というと、「ケーキを食べたい?」そのまま繰り返します。しかし、こうしたことばも意味を十分に理解していないことがあります。おそらく、音の響きやリズム、イントネーションのおもしろさにひかれて、声に出して確認しているものと考えられます。 また、人と話をするときは、ふつうは身ぶりや手ぶりを交えたり、声の調子を変えたりして、自分の感情を表現しますが、自閉症の子どもは、そうしたことば以外の伝達手段も使おうとしません。 自閉症のクレーン現象 自閉症の子どもは、指差しをしたり、ほしいものがあるとき、ことばで「あれを取って」ということはありません。その代わり、ほかの人の手をつかんで、取ってほしいもののある場所にもっていく動作をする子どももいます。 これを「クレーン現象」と言います。ほかの人の手を「人の一部」とはみなさず、道具のように使うことからこの名前がついています。 ![]() ![]() サイレンの音などを異常に怖がる だれでも、突然、大きな雷が聞こえてきたら、ドキッとして恐怖を感じますが、しかし、自閉症の子どもの場合は、ふつうの人が平気な音にもドキッとして強い恐怖感や緊張に襲われます。耐えられないときには耳をふさいで騒いだり、泣いたりすることもあります。 自閉症の子どもの苦手な音は、たとえば、救急車や消防車のサイレンの音、掃除機の音、怒鳴り声、赤ちゃんの泣き声、犬の吠え声などがあります。 また、ピアノなどの楽器の音をいやがり、ふつうの人にとっては不快な、窓ガラスや黒板をツメでひっかく音などには平気という子どももいます。 これは、自閉症の子どもの聞こえ方が、ふつうの子どもの聞こえ方と違うからでなないかといわれています。 また、自閉症の子どもは、騒音や雑音のなかから、自分に必要な音だけを聞き分けることがむずかしいといわれています。そのため、ふつうの人よりも聴覚が敏感になり、耳障りに感じる音が多いと考えられます。 視覚や触覚も敏感 聴覚と同じようなことが視覚についても言えます。自閉症の子どもの見え方は。ふつうの人の見え方と異なっています。 自閉症の子どもは、物を間近で見たり、手を目の前にかざして指の間からのぞき見したり、横目で見たりといった特徴のある「物の見かた」をします。 また、木漏れ日など、チラチラする光の点滅に見入ることも多く、こうした光の刺激を好むのも、自閉症の独特の視覚によるものだと考えられています。 そして、触覚も敏感です。特定の肌ざわりに強いこだわりをもち、同じ材質の洋服ばかりを着たがり、別の洋服を強く拒否する子どももいます。そのほか、つま先立ちしかせず、歩くときもつま先あるきしかしない子どももいます。 ![]() ![]() ひとつの動作にこだわり、それを果てしなくくり返す「常同行動」も自閉症の特徴です。たとえば、両腕をひろげて、からだをコマのようにぐるぐる回転させて、それをいつまでも続けます。ふつうの子どもは10回も続ければ、目が回り飽きてしまいますが、自閉症の子どもは飽きません。 ジャンプが好きな子どもは、一度ジャンプを始めると、いつまでもジャンプを続けやめようとしません。見ている周囲の人が「やめなさい」といっても、まったく聞く耳をもちません。 また、上半身を前後にゆする、手をひらひらさせる、腕をぶらぶら振る、などの動作がみられることもあります。同じ場所を行ったり来たりしたり、同じドアや窓を開けたりしめたりすることもあります。こうした動作を何度もくり返すのが特徴です。 こうした行動は、周囲から見ると奇異に映りますが、本人は自分が他人の目にどう映っているかなどはまったく気にしていません。 ![]() ![]() 顔の表情が読めない ふつうの子どもは、赤ちゃんのときから、いつもそばで見守ってくれるおかあさんやおとうさんに愛着を抱き、その顔を見つめ、表情やしぐさに反応しながら成長していきます。その結果、親以外の人の表情や態度を見ても、相手の気持ちが読み取れるようになっていきます。 しかし。自閉症の子どもの場合は、生まれつき人への関心や愛着がうすく、人の表情を読んだり、気持ちを察したりするトレーニングができていません。そのため大きくなっても、相手に対する配慮が十分にできません。 人とのかかわりをもたないから人が理解できない。理解できないからかかわりたくなくなる、というサイクルが生まれるといえます。 自閉症の子どもは他人とどう接したらいいかわからないため、こんなふるまいをしたら相手がどう思うだろう、ということがわかりません。つまり、自分以外の人がなにかを考えたり感じたりするということが理解できないのです。 ![]()
|
||||||||||
|
||||||||||
|