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自閉症の子どもの接し方

 
一般的なルールに従わせない
 自閉症の子どもは、ふつうの子どもと同じような感情や感覚をもっておらず、別の文化・価値観の世界に生きているようなものです。

 だれもが、知っているマナーや常識を知らなくても不思議ではありません。そして、その感情や価値観を変えることはできません。

 なにかを教えてあげるときも、外国人に教えるように「わかりやすく、ていねいに」を心がけるようにします。

 たとえば、「おはよう」と言うあいさつができない子どもには、「朝おはようとあいさつするのよ」などと教えるのではなく、「そういう子どもなんだ」と受け入れ、こちらからのあいさつは欠かさないようにします。


ことばがわからないときは、絵や写真、図で示す
 ことばがわかる自閉症の子どもであっても、ふつうの子どもと同じ程度に理解することは困難です。長い文章でくどくどと説明しても伝わらないので、短いことばで簡潔に指示を出してあげましょう。

 自閉症の子どもは、ことばを聞いて理解するより、目で見て理解するほうが得意です。ことばで通じないときには絵や写真、図を使って教えてあげるようにします。


注意するときはおだやかに話す
 自閉症の子どもは、大声で話しかけられると、怒られているように感じて、ひどくこわがります。恐怖心や不安があまり強くなると、パニックを起こすこともあります。こちらから話しかけたり、注意するときには、おだやかな声で話すようにします。


うまくできたときは、ほめる
 約束を守ることができたとき、課題がこなせたとき、がまんすることができたときなどは、ほめてあげます。

 自閉症の子どもは人にほめられることで、達成感や新たな意欲がわく度合いが、ふつうの子どもより低いのですが、自分を肯定されることで、安心感を得ることができると考えられます。

 子どもが話しかけてきたときには、話をよく聞いてあげ、要求に応じてあげましょう。人とのコミュニケーションが安心してとれるようになることは、自閉症の子どもはソーシャルスキルを身につけるうえで大きな意味があります。


問題行動は、許容範囲を決める
 自閉症の子どもは、ひとりごとをつぶやいたり、からだを揺らしたり、物のにおいをかぐなど、奇異な行動をすることがあります。

 これは、自分の気持ちを落ち着かせるためにしていることが多いので、危険性が高いとか、周囲の人を不快にさせるなど、実害があるものを除いては、周囲の理解を得ながら、ある程度認めてあげることも大切です。