HOME  

自閉症の赤ちゃんの特徴

 
おかあさんにも愛着を示さない
 ふつう、赤ちゃんというのは「人好き」です。いちばん好きなのはおかあさんですが、親やきょうだいではなくても、だれかがそばに来てくれると喜こんでほほえみます。

 これは、赤ちゃんに生まれつき備わっている「愛着行動」です。生まれて間もない赤ちゃんは、自分の顔をのぞき込んでいる人の顔をじっとみつめ、目元や口元から表情を読み取っていくようになります。

 このような人への愛着行動を通じて、赤ちゃんは自分にとって大切な人の顔を覚えたり、相手が自分に好意をもっているどうかを探ることができるようになっていきます。

 しかし、自閉症の赤ちゃんには、そうした愛着行動があまりみられません。だれかがそばに来てくれても、それがたとえおかあさんであっても、うれしそうにほほえむことはありません。身近な人が抱っこしたり、あやしたりしても、喜んで笑い声をあげることがありません。

 自閉症の赤ちゃんは、まわりにおかあさんや遊び相手になってくれるきょうだいの姿が見えなくなったときにも、さびしてなって泣くこともありません。

 おなかが痛いとか、手足をどこかにぶつけて痛いといった理由でなくことはあっても、おかあさんや身近な人に何かを要求して泣くという行動がみられません。これも愛着の気落ちが少ないために起こることです。


あと追い」をしない
 赤ちゃんは、抱っこしてほしいときには泣き、抱っこされると泣きやむ、「抱きぐせ」というのがありますが、自閉症の赤ちゃんにはそれがあまりありません。

 ミルクがほしい、おむつがぬれたから替えてほしい、だれかにかまってほしいと、おかあさんに訴えるために泣いたりすることもあまりありません。

 また、赤ちゃんが少し大きくなってハイハイができるようになると、おかあさんを求めて追いかけ回す「あと追い」が始まりますが、自閉症の赤ちゃんの場合が、あと追いもあまりありません。

 ですから、「あと追いが激しくて赤ちゃんから目を離すことができない」ということもありません。自閉症の子どもを持つおかあさんの多くは、子どもが赤ちゃんだったころを振り返って、「あまり手のかからない赤ちゃんだった」とよくいいます。

自閉症の赤ちゃんの特徴

・おかあさんや身近な人がそばにきてもうれしそうにしない。

・だれがあやしても、喜んだり、笑ったりしない

・人と視線があっても反応がない

・おなかがすいた、おむつがぬれたというときにも、泣いて訴えることがない

・ひとりにされたとき、泣いてだれかを呼ぶことがない

・おかあさんを「あと追い」することがない

・体をさわられたり、抱っこされるのをいやがることがある。