自閉症の特徴と症状、原因、治療、接し方についてわかりやすく説明しています。
HOME |
自閉症とは
|
|||||||
|
|||||||
![]() |
|||||||
![]() 自閉症は、発達障害のなかの「広汎性発達障害」に分類されます。広汎性発達障害とは障害のみられる領域が1つや2つではなく、たくさんあるという意味です。 たとえば、学習障害(LD)では、文字の読み書きや計算能力のうち、特定の能力が低いのですが、ほかの全般的な能力には問題ありません。 これに対して、自閉症やアスペルガー症候群では、認知や感覚、ことばなど、さまざまな領域における能力が水準に達しておらず、かなりばらつきがあります。このように、障害のある領域が広範囲にわたることから広汎性発達障害と呼ばれています。 ![]() 自閉症の子どもには、他人とコミュニケーションを取るのが難しいという特徴がありますが、これは、彼らが意図的に、現実からかけ離れた自分の世界をつくり、そのなかに閉じこもっているということではありません。 自閉症の子どもとコミュニケーションを取ろうとしたとき、適切な返答や反応ができない場合がありますが、それは、わざと自分の殻に閉じこもって無視したり、見当違いの返事をしているわけではありません。 彼らは、本当に、話しかけられた言葉の意味や、意図が理解できないために、ふつうの人ができるような適切な対応がとれないのです。 ![]() 自閉症の原因はよくわかっていませんが、脳になんらかの先天的な障害があり、それがさまざまな症状を引きおこしていると考えられています。 それは、生まれ持った障害であって、育っていく過程における、親の関わり方や環境が影響しているものではありません。 しつけや育て方は自閉症の症状とはまったく関係なく、ストレスや心理的要因が原因で発症する「心の病」でないこともわかっています。 ![]() 通常、母親や父親が「少しおかしい」と気がつくのは、子どもが3〜5才頃です。ことばが遅れているのではないかと気づき、医療機関や保健所に相談してわかることがほとんどです。 おかしいと気づいた時点で、できるだけ早く「療育(治療教育)」を受けることが望まれます。知的障害やことばの遅れが目立たない高機能自閉症やアスペルガー症候群の場合は、親とふたりきりで家にいるとなかなか気づかないことがあります。 その場合は、幼稚園や保育園などの集団生活のなかで、他の園児と比べて少し違う、集団になじんでいない、というような態度から気づくことも多いようです。 また、1歳以前で気づかれることもありますが、その場合は専門家の診断によることがほとんどです。 ![]() 自閉症スペクトラムとは、一見すると自閉症とは似た別の傷害のようにとらえることもできますが、そうではありません。自閉症のことを指します。 自閉症スペクトラムとは自閉症という発達障害を「連続体」としてとらえる概念です。連続体とははっきりとした境界線のない枠組みのことです。 自閉症はアスペルガー症候群やAD/HD(注意欠陥/多動性障害)など、ほかの発達障害と重なる部分が多く、区別が容易にはできませんので、連続体とかんがえられています。 また、自閉症は、周囲の対応ひとつで症状が重くなったり、軽くなったりするために、診断基準にあてはめて考えると無理が生じることがあります。 「特性があるかないか」、「自閉症であるかないか」という両極端な考え方をするのではなく、診断名にとらわれず、日々成長していく子どもの様子を見守って、その都度、柔軟に適切な対応をしていくことが求められます。 ![]() 自閉症は、他人とのかかわりを拒否して自分の家にこもる「引きこもり」とは、まったく異なります。 引きこもりは発達面では障害がなく、それまで、ふつうに社会的活動をしていた子どもが、なんらかの社会的、心理的な要因のために、ある時点から、家族や他人とのコミュニケーションを自発的に断ち、自分の世界にとじこもるもので、その背景にあるものはさまざまです。 自閉症の場合は、社会的活動を行うことが、もともと困難で、子どものときから、他者とのコミュニケーションがうまくとれないのが特徴です。
|
|||||||
|
|||||||
|