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女性のうつ病

女性のうつ病

主婦のうつ病

専業主婦は、はたからはのんきそうに見えるかもしれませんが、実はうつ病で悩む人が多くいます。社会の風をもろに受ける夫に比べ、ストレスも少なそうにみえますが、強いストレスを抱えている人が少なくありません。
 今では学校卒業後にほとんどの女性が仕事につきますが、それでも大半の人は結婚や妊娠をきっかけに専業主婦の道に入ります。家庭に入り、日常の家事や育児に追われる日々を送っていると、社会から取り残されるのではないかという不安や焦燥感にかられます。料理や洗濯など毎日同じことを繰り返し、顔を合わせる人も減り、刺激も少なくなるのですから当然かもしれません。このような不安感や焦燥感がつづくと、しだいに家事に対しても育児に対しても意欲や興味を失っていき、ついにはうつ病発症にまでつながることもあります。
 「こんなつまらない生活をしているのは仕事をやめたせい」、「私は夫や子どもの犠牲になっている」との思いが強くなり、夫婦関係がぎくしゃくしたり、子どもをかわいく思えなくなったりすることもあります。自制心を失って、子どもの泣き声や、ちょっとした反応にカーッとなって虐待してしまうことも起こります。

自分の存在価値に疑問
多くの女性が結婚すると男性の姓を名乗り、「○○さんの奥さん」、「○○ちゃんのお母さん」という呼ばれ方をします。また、夫の社会的地位や身分は妻にもおよび、平社員の妻は上司の妻に部下であるかのような態度をとられるのが普通です。子どもが元気で聞き分けがいいと周囲の人に母親の育てがいいとほめられ、病気がちだったり、落ち着きがないと母親の育て方が問われます。
 このような役割での評価ばかりを受けていると「私って何なの」、「私自信はどこにいるの」というように、自分自身の存在価値に疑問を感じる人も出てきます。生き生きとしているという実感が持てなくなったり、生きていく自身をなくすこともあります。

経済力がない不自由
専業主婦になるということは、収入を得るのは夫、家事や育児を担当するのは妻というように役割分担をしたのですから、夫の得た収入は夫婦それぞれに同じ権利があるはずです。ところが、直接自分で得た収入でないと、自分や自分の親兄弟のために使うことに遠慮がでてしまう人もいます。夫や子どものための出費は普通にできても、自分自身の勉強や楽しみなどのためにはなかなか出費しにくいのです。経済力をつけるために資格を取得したいと考えていても、必要な費用が捻出できないから資格が取れないなど、将来に展望が持てなくなります。この経済力のなさからがまんしなければならないというストレスは相当大きなものです。