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女性のうつ病

女性のうつ病

なぜ、うつ病は女性に多い

 
人生のなかで初潮、妊娠・出産、更年期とライフイベントが多い女性は、男性に比べ2〜3倍うつ病が多いといわれています。その理由はいろいろ考えられますが、まず、ホルモンの違いです。女性ホルモンのエストロゲンは神経伝達物質のセトロニンを介して感情の調節にかかわっていますが、このセロトニンは、気分を明るくする、興奮や不快感を鎮める働きがあるのですが、女性はもともとセロトニンの分泌量が男性より少ないうえに、更に月経前は、エストロゲンの影響でセロトニンが減るので、落ち込みやすくなったり、イライラしたりします。

 月経によって女性は毎月ホルモン分泌の変動を経験します。また一生のうちには妊娠、出産、更年期というホルモン分泌の大変動があります。ホルモンの変動は、ストレスに対する抵抗力が低下するため、女性は男性よりもうつ病になりやすく、このようなホルモンの変動がうつ病を引き起こす誘引になると考えられています。

 また、女性の社会的立場の弱さも関係しています。男性優位の社会では、女性は職場でも家庭でもがまんしなければならないことが多く、女性としての役割を強要されることも多いといったことがあり、それがストレスになります。結婚して姓が変わるのも女性がほとんどですし、夫の転勤に伴って妻が夫の新しい転勤地に同行することはあたりまえに行われていることであっても。妻の転勤先に夫が同行することはめったにありません。このように妥協やがまんを強いられるのは圧倒的の女性のほうです。女性のうつ病はこれら社会的要因とホルモン分泌などのような生物的な要因とが複雑にからみあって起こるのだろうと考えられています。