妄想性人格障害
極度に疑いが深く、他人のことばすべて自分の批判へと捉えて解釈します。根拠もなく「盗聴されている」と訴えたり、他人と目があっただけで「にらまれた」というため、周囲は怖くて近づかなくなります。家族に対しても根拠のない恨みや疑いを持ち続け、激しく怒る、暴力を振るうといったトラブルを起こすことがあります。
分裂病質人格障害
「変わり者」と表現されることが多く、よそよそしく感情がないかのように見え、他人に全く興味がなく、たいてい一人で行動しています。感情や怒りをあらわすことはほとんどなく、叱られてもほめられても、うれしいのか悲しいのかわかりません。人と親密な関係をもとおうせず、趣味や仕事に夢中になることもありません。性格は冷淡で、人にはよそよそしい態度をとりますが、悪意や攻撃性があるわけではなく、人間関係自体に喜びを感じないことによります。怒りの感情を表すことも少なく、性に関する興味も乏しいようです。
分裂病型人格障害
分裂病型人格障害とは、「魔術的思考」といわれる奇妙な発想や空想、独特の信念をもち、統合失調症の症状にも似て「周りのあらゆる事柄が自分に関係している」と考える傾向があります。
「魔術的思考」とは、迷信やテレパシーや千里眼、予知能力など、現実にはありえないことを思い込むことで、例えば、だれかに対して怒りの感情を抱くと、その人に災いを起こすことができると信じています。
分裂病型人格障害の人は、奇妙な宗教に凝ったり、迷信を信じているために、行動や外見がそれに合わせて奇妙で風変わりになっています。そのため、意思の疎通ができにくく、安定した社会生活や人間関係を持つことができません。
境界性人格障害
感情が激しく不安定で、それまで普通にしていたのに、突然怒り出したりします。対人関係もうまくいかず、友達もできにくく、その一方で、孤独に弱く、常に誰かと一緒にいてもらいたがり、他人に見捨てられるのを極端に怖がります。
「自分の好意的で、支えてくれそうだ」と思うと、相手の気持ちは考えず、積極的に近寄ります。相手が少しでも冷たい態度をとると執拗に執着し、完全に見捨てられたと思うと、手のひらを返したように批判し始めます。
また、気分や感情の波がとても激しく、気に入らないことがあると、壁にあたまをぶつける、暴力を振るう、自殺未遂や自傷行為など、他人や自分を傷つける行為を繰り返すことも少なくありません。
演技性人格障害
演技性人格障害の人は常に注目の的になっていようとします。演技的で極端に感情的で、外見をひどく気にします。対人関係では、表現力豊かで生き生きしているため、友人はすぐにできますが、慣れてくると、気まぐれで、自分勝手で、わざとらしさが感じられ、そのため親密な交流を保てず、相手は逃げていってしまいます。
演技性人格の人は、性的な誘惑をしたり、スタイルの良さを見せびらかしたりします。しかし、本当に求めているのは性的関係ではなく、誘惑的な行動の裏に、だれかに頼りたい、守ってほしいという願望の裏返しであるという説もあります。
自己愛性人格障害
自分は他人よりも優れている、人とは違うと思い込み、自分の能力を過大評価しています。ほめられたい、尊敬されたいという思いが強く、自分のやったことを「すごいことだ」などと強調して周囲に話します。自分の話に他人も同調してくれると思い込んでいるため、ちょっとした批判や非難にあっても自尊心が強く傷つけられます。その反面、他人の才能や業績は「たいしたことない」と過小評価し、批判的です。
一般に、他人に自分の話はよくしますが、人の話にはほとんど関心を示さない傾向があり、周囲からは「傲慢な人」という印象をもたれます。また、自分を無視されていることに対して異常な怒りをもって反応することがあります。この怒りの程度は強烈で、時には殺人、傷害事件に至ることもあります。
反社会性人格障害
他人に迷惑をかけることに、何の良心の呵責も感じず、社会ルールを無視し、犯罪行動を繰り返します。ささいなことにも怒りやすく、すぐに暴力行為に走る、物を破壊する、平気でうそをつくなどの行動が見られます。
トラブルを起こした自分を常に正当化し、罪の意識はなく、無反省で刑罰を受けても改めません。15歳頃から。学校や社会のルールを守れない行動が目立ち、動物を虐待するなどの行為がみられることもあります。
回避性人格障害
回避性人格障害をもつ人は、自分は社会的に不適格で魅力に欠けていると考え、笑われること、恥をかくこと、排除されること、嫌われることを怖がり、そのために、社会的な交流を避けようとする傾向があります。
回避性人格の人は、失敗や傷つく事を恐れるあまり、行動や決断を避けてしまいます。そのため対人関係を極力避けたり、社会へ出る事がおっくうになりがちです。恥ずかしいことになるかも知れないと言う理由で、何かにチャレンジしたり、新しいことをはじめたりすることに異常なほど消極的になります。
依存性人格障害
依存性人格障害の特徴は、自分に自信がなく、力を持った人間に頼らないと「生きていけない」と思い込んでいるところです。自信に欠け、自分のことを自分でする能力について強い不安を感じています。自分には決められない、何をしたらよいかわからない、どうしたらよいかわからないといった弱音を吐くこともしばしばあります。
このような行動を取る一因として、ほかの人には自分よりも能力があると信じていることが挙げられます。そして相手や周囲に合わせる事が、自分の気持ちだと勘違いしています。長く病気をわずらっている成人が依存性人格になることがあります。
強迫性人格障害
物事すべてにおいてつねに完璧でなければ我慢できず、規則、順序などにこだわりすぎるあまり、物事がスムーズに運ばなくなります。たとえば、本棚に並べる本の順番をきちんと決め、少しでも順序が違うと気に入らないなどです。
また、こうした自分のやり方を家族や同僚、部下に強要することもあります。度を越した完全癖が災いし、人とのつきあいがうまくいかない、娯楽や興味が持てないことも少なくありません。
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