チック症に対する治療法については、専門家の間でも意見が分かれており、まだ確立されたものはないようです。チック症は基本的に子供に発症する病気で、また心因的な原因も多くあるため、治療というよりは、その子供のストレスや不安などに対しての適応能力を高めるとともに、人格形成の発達を促す事がそのまま治療につながります。
チック症の治療はカウンセリングと薬物療法で行なわれます。治療は本人に過剰なストレスを与えないために、周囲の人々に対してチック症の正しい理解や接し方を促すことが非常に重要になってきます。
軽いチック症では、遊戯療法などの行動療法的なアプローチや、何か興味を抱いて熱中できるもの趣味的なものをもたせることが有効です。その際は、同時に親へのカウンセリングも重要になります。
チック症では本人も症状が現れることを「不快、恥ずかしい」と感じていたり、気にしているので、そこで「やめなさい」などと制止しても解決しません。症状についてはとやかくいわず、治療に向けて、周囲が協力する姿勢が望まれます。基本的にはチック症に干渉せず、普段どおりの日常生活を行うことがその方針となります。同時に家庭では、精神的に落ち着ける雰囲気を作ってあげることが大切です。
薬物療法は比較的重症な患児に対して行われます。一般的にはすぐに薬物療法に入るのではなく、行動療法や心理療法を行い、改善が認められない場合には薬物療法を行なっていきます。その場合には「ハロペリドール」という薬が一定の効果を示す事から一般的に用いられています。 |
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