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ナルコレプシーの有病率はどのくらい。 |
日本人のナルコレプシーの有病率は1万人当たり16人〜18人という研究報告があります。この数値の開きは調査対象地域や対象年齢層の違い、調査年の相違などによるものと考えられ、一般的には約600人に1人、全国で10〜20万人と考えられます。
発症年齢は、10代から20代前半に集中しており、特に14〜16歳にピークがあります。男女の有病率の差はないと考えられていますが、病院で治療を受けている患者では男性の比率が高くなっています。
この理由は男性の方が女性より会社勤務など社会的に活動しているため、周囲からも指摘をされることが多いためと考えられます。 |
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ナルコレプシーは遺伝しますか。 |
一般に、ナルコレプシー患者がいない家族と比較して、ナルコレプシー患者のいる家族での発現率は10倍程度高いというデータがあります。
ナルコレプシーの発症原因は、未だに十分に解明されていません。その発症には、様々な因子の関与が考えられており、遺伝もその因子のひとつですが、ナルコレプシー患者のすべての子供に遺伝したり、隔世遺伝したりするというものではありません。
ナルコレプシーの発症には遺伝だけでなくストレスなどの要因が発症に関係すると考えられます。 |
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居眠りの原因となる病気にはナルコレプシー以外にどんなものがありますか。 |
ナルコレプシー以外に日中に強い眠気に襲われる疾患には、睡眠時無呼吸症候群、睡眠不足、真性過眠症、特発性過眠症、反復性過眠症(周期性過眠症)
、覚醒不全症候群、うつ病(双極性)
、季節性うつ病、周期性四肢運動障害、むずむず脚症候群、薬物・アルコールの慢性使用、身体疾患・神経疾患の一部、心因性などの精神障害、概日リズム睡眠障害などがあります。 |
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ナルコレプシーはどんな治療をするのですか |
ナルコレプシーの治療は基本的には、生活指導、薬物療法が主流になります。生活指導は、睡眠記録表に24時間の睡眠、覚醒状況を記録し、医師が規則正しい生活をするようにアドバイスをします。規則正しい生活、ことに夜間の十分な睡眠時間を確保することは、症状の軽減には不可欠です。
また、不規則な生活は日中の眠気や睡眠障害を悪化させてしまいます。できるのであれば日中の昼休みなどに短時間に目をつむり、計画的に昼寝をすれば眠気は軽くなります。
薬物療法には精神刺激薬を用います。よく使われるのはメチルフェニデート(リタニン)という薬です。この薬は作用時間が短いため(早く代謝され体外に排泄される)、朝と昼の2回服用する必要があります。ペモリン(ベタナミン)という、やや作用時間が長い薬も使われます。このなかでよく使われているのは、クロミプラミン(アナフラニール)、イミプラン(トフラニール)などの抗うつ薬です。 |
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ナルコレプシーは完治しますか |
今のところナルコレプシーを完治治療する方法は見つかっていません。しかしナルコレプシーの薬を飲めば症状は抑えられます。薬を飲み続けているうちに症状がだんだんと軽くなっていくケースが多いので、諦めずに気長に薬を飲み続けることが大切です。
日常の生活では、休み時間に20分くらいの昼寝をとる習慣をつけることが大切です。 |
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精神賦活剤には副作用がありますか |
副作用はありますが、医師の処方どおり自分の体に合った量を正しい時間にのめば、副作用はごく軽くてすみます。副作用として多いのは動悸、頭痛、胃障害、食欲減退、時に逆説的傾眠といって、服用後15〜30分頃に逆に眠気が強くなることがあります。
また夜の睡眠を充分にとらないで精神賦活剤をたくさん服用すると、入眠時の幻覚が強まったり、精神不安定が起こったりすることがありますので、医師の指導を守って適正量を飲むことが大切です。 |
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ナルコレプシーの治療にはどのくらいかかりますか |
規則正しい生活と長期間の通院、服薬が必要になります。、医師の処方どおり自分の体に合った量を正しい時間にのみ治療を行うことで、症状は10年、20年と経つうちに軽くなる傾向があります。
10年間治療を続けると1割くらいの人で眠気が非常に軽くなり、2割くらいは情動脱力発作が、約3割は入眠時時幻覚が、約4割の人に睡眠麻痺が、それぞれ薬がいらない程度に軽くなります。 |
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ナルコレプシーというのはどんな意味ですか。 |
ナルコレプシー(narcolepsy)は、一般に「居眠り病」と呼ばれています。ナルコレプシーという病名は、1880年にフランスの医師ジェリノーにより名付けられました。「ナルコレプシー」の「ナルコ」は“麻痺、脱力”を「レプシー」は“発作”を意味するギリシャ語に由来しています。 従って「ナルコレプシー」という言葉は脱力発作を意味していますが、「ナルコレプシー」という言葉が世界中で使われています |