膝の痛みと症状

膝の痛みを治す!変形性膝関節症

 変形性膝関節症の症状

前期、初期
 変形性膝関節症は、痛み、変形、腫れが代表的な症状です。しかし、病気が進行するほど症状が重くなるとは限りません。変形性膝関節症の痛みの特徴は、体重をかけたときや歩くとき、いすに腰掛けるときや正座するとき、また立ち上がるとき、階段を上り下りするときなどに痛みが起こることです。安静にしていると、痛みは徐々に引いていきます。
 こうした痛みは前期から始まります。膝をひねったわけでも、ぶつけたりしたわけでもないのに、なぜか膝が痛んできます。痛みはまもなく治まることが多いため、疲れや老化現象のせいだろうとあまり深刻には考えず、すぐに忘れてしまうことも多いようです。しかし、初期に入ると、なんらかの負担がかかると、必ず痛みが起こるようになります。たとえば、階段を上り下りすると痛みが起こる、いすから立ち上がろうとすると痛い、とうように、特定の動作に対応して痛みが起こるようになり、動きと痛みの関係が次第にはっきりしてきます。

進行期、末期
 進行期になると、ふつうに歩くだけでも痛み、しかも安静にしていてもなかなか痛みが治らないために日常で生活に支障を感じるようになります。また、膝をひねっただけでも激痛が起こったり、痛みのためにスポーツをすることが難しくなることもあります。ときには痛みをまったく感じないこともありますが、階段では手すりを使うことが多くなり、歩くときに杖を必要とすることも出てきます。
 末期になると痛みがなかなか引かなくなるため、杖や手すりなしで歩くことが難しくなったり、出歩いたりすることが少なくなったりします。このように動きが少なくなるために、ギクッとくるような激しい痛みは少なくなりますが、膝が重いような感じや鈍い痛みなどが持続するようになります。

変形は進行期、末期に現われる
 変形性膝関節症による膝の変形は、前期や初期には表れませんが、進行期に入ると、下肢全体の形が変わってきます。日本人の場合、O脚に変形してくることが多く、末期になるとO脚変形が高度になり、骨棘や骨堤などの関節軟骨周囲の骨の変形が肉眼でもわかることがあります。なお、前期や初期に膝の腫れが長く続くと、ひざが変形してきたように見えることもありますが、この時期はレントゲン写真上ではほとんど変形は見られません。

膝の腫れは前期、初期に多い
変形性膝関節症による膝の腫れは関節水症が原因で、前期や初期によく見られます。とくに初期には急に膝に水がたまる頻度が高くなり、強い痛みを伴うことが多くなります。しかし、進行期や末期では、あまり関節水症はみられません。もしあったとしても、少量の水がなかなか引かない慢性の関節水症であることが多いようです。この場合は、鈍い痛みや重い感じを伴ったり、膝の横や後ろが引きつるように感じたりします。