膝の痛みと症状

膝の痛みを治す!変形性膝関節症

膝の動きに大切な「太ももの筋肉」

 年をとると、だれでも筋力が弱くなっていきますが、腕の力よりも、脚の筋力のほうが衰えやすい傾向にあります。なかでも太ももの前にある大腿四頭筋は、あまり歩かなくなるとすぐに筋力が弱くなります。膝を動かしているのは、主に太ももにある筋肉です。そのため、太ももの筋肉が低下すると、膝がスムーズに動かなくなります。膝が不安定になってぐらぐらしたり、椅子から立ち上がったり座ったりすることや、階段の昇り降りがしにくくなるなど、日常生活を送るうえでの支障が出やすくなります。

 膝を伸ばす働きをしているのは、太ももの前にある大きな筋肉で、4つに分かれているために「大腿四頭筋」と呼ばれています。4つの筋肉は1つの腱にまとまって膝蓋骨につながり、膝蓋腱を通って頚骨と結びついています。歩くときに膝が崩れないのは、大腿四頭筋の働きによるもので、この筋力が低下すると、スムーズに歩きにくくなります。また、立ったり座ったりするときも、この大腿四頭筋の働きが重要になります。

 一方、膝を曲げる働きをしているのは、太ももの後ろにある4つの筋肉です。このうちの1つは「大腿二頭筋」と呼ばれ、ひざの外側にある緋骨につながっています。ほかの3つの筋は膝の内側にある頚骨につながっていて「膝屈筋群」または「ハムストリングス」と呼ばれています。この筋肉は、膝を曲げる働きだけでなく、走るときに骨盤を支える働きもあります。そのほか、ふくらはぎにある「緋腹筋」という筋肉にも膝を曲げる働きがあります。