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ダウン症の子どもがかかりやすい病気
 
心臓病
 先天性心疾患の場合は、健常児では、全体の1%前後ですが、ダウン症の子どもでは約50%とかなりかかりやすくなります。ダウン症の子どもの死因としては多い病気です。

 最近は治療の進歩で、心臓手術の成功率があがり、ダウン症の子どもの寿命を伸ばすことができるようになってきました。

 ダウン症の子どもの約半数は心臓病を合併しますので、必ず一度は専門的な診察を受けておきましょう。


呼吸器の病気
 気管支炎や肺炎などの呼吸器の病気は、風邪から移行することがあります。乳児期のダウン症の子どもの死因の原因に多い病気です。

 乳児期に風邪をひいたら、早めに医師の診察を受ける必要があります。しかし、だんだん体が大きくなって抵抗力がついてくるとそれほど心配する必要はなくなります。


頸椎に異常
 ダウン症の子どものなかには、首の構造が弱い子どももいます。頚椎の中には、人の生命活動の中心となる神経の束があるので、この神経の束が強く押されると、死んでしまうことや、下半身がマヒしてしまうことがあり大変危険です。3歳ごろから就学前までに、一度頸部のX腺検査を受けておきましょう。


消化器系の病気
 心臓病の次に多いのが内蔵の病気です。ダウン症の子どもの3〜8%の子どもに見られます。十二指腸が閉じている十二指腸閉鎖、肛門が開いていない鎖紅、結腸が狭いヒルシュスプルング病などは、生まれてすぐ手術が必要です。

 また、ダウン症の子どもは、おなかの筋力が弱いので、便秘になりがちです。便秘が続くときは、グリセリン浣腸などを使用します。


皮膚の病気
 ダウン症の子どもの皮膚は、血液の循環が悪いために、よくトラブルを起こします。冬には手足の先が真っ青になることが、ほとんどのダウン症の子どもにみられます。またしもやけになる子どもも多くいます。

 夏には、あせもがひどくなる子どもも多くいます。しかし、ダウン症の子どもは体温調節がへたなので、冷房に直接当てるのはよくありません。こまめに体を洗ってあげて、皮膚を清潔に保つことがいちばんです。


目の病気
 ダウン症の子どもは目の病気も併発していることが少なくありません。ですので、早期に目の異常を発見して対処しなければなりません。

 ダウン症の子どもには近視や遠視に加えて乱視をともなうことが多くあります。生後6ヶ月までには先天性白内障のチェックを、12歳までには斜視のチェックもしておかなければなりません。


聴力の病気
 ダウン症の子どもの約半数には難聴があるといわれています。乳幼児の聴力は、全身の発達と並行して伸びていくので、ダウン症の子どもの聴力の発達は、遅れる傾向にあります。

 ダウン症の子どもの難聴の半数は外耳・中耳の障害によっておこる伝音難聴です。伝音難聴は早期の治療で聴力を回復することができます。


歯の病気
 ダウン症の子どもには歯並びが悪い、歯の一部欠損、受け口など、歯に関する問題も少なくありません。

 歯科矯正をする場合は、異常の程度と本人のメリットを医師と相談して決める必要があります。なお、ダウン症の子どもの歯科矯正は保健適用になっています。