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ダウン症の子どもの特徴
 
 顔つきが似ている
 筋力が弱い
 動作がゆっくりしている
 ことばが聞き取りにくい
 物事を覚えるのに時間がかかる
 知的障害を伴うことが多い
 手足が冷たい
 

顔つきが似ている
 ダウン症の子どもたちは、みなどこか顔つきが似ています。鼻が低めで、目と目のあいだが広く見え、少しつり目がちであることです。

 これは、顔の中心部の骨の発達が、ゆっくりであるのに対して、顔の周囲の骨は、通常の速度で発達するからだといわれています。

 鼻とその周辺の骨格がまだ発達していないうちに、顔の周辺の骨格は育っていき、皮膚が引っ張られるために、鼻が低く、目の間隔が広く、つり目がちになるというわけです。

 また、ダウン症の子どもは、背丈が低く、首のまわりの肉付きがよく、ぽっちゃりしていることも共通する特徴のひとつです。

 しかし、これもダウン症の子どもすべてに見られることではありません。個人差があり、あまり目立たない子どももいます。



筋力が弱い
 ダウン症の子どもの特徴に、筋力が弱いということもあげられます。ですので、ダウン症の子どもは、体がやわらかすぎるくらいやわらかい、という印象を受けます。体がやわらかいのは、一見よいことのように思えますが、実は深刻な問題となります。

 たとえば、椅子にすわっているときに、姿勢よくすわるためには、ある程度の筋力が必要となりますが、このとき筋力が弱すぎると、一定の姿勢を保つことができません。姿勢の悪いダウン症の子どもを多く見かけるのはそのためです。

 ですので、ダウン症の子どもは、赤ちゃんのうちから、筋力を強くする運動をします。訓練をすることで、この特徴は目立たなくなってきます。



動作がゆっくりしている
 ダウン症の子どもを見ていると、とてもゆっくりとした印象を受けます。人によっては、のろのろしているように見えるかもしれません。

 それは、筋肉の力が弱いため、どうしてもゆっくり行動してしまうのです。そのうえ、ダウン症の子どもには、心臓や目、耳に問題がある場合があります。これもすばやく行動できない原因になります。

 また、人によって程度はさまざまですが、ダウン症の子どもには。手先がうまく働かない子どもや、指が短い子どもが多いので、そのため不器用になるともいわれています。

 ダウン症の子どもの成長は、一般的に、行動面だけでなく、ことばなどいろいろな面においても、通常の子どもよりもゆっくりとしています。



ことばが聞き取りにくい
 ダウン症の子どものなかには、聞き取りにくい話し方になってしまう子どももいます。これにはいくつかの理由があります。

 ひとつは、口の中に問題がある場合です。ダウン症の子どもは、あごや舌、唇の筋肉も弱いため、舌足らずな話し方になってしまうことがあります。

 また、あごの骨の成長がゆっくりなため、口の中の容積が狭く、舌が口の中でなめらかにうごかせないこともあります。

 また、耳が聞こえにくいことも原因のひとつに考えられます。正確な音が聞き取れないため、正しい発音がわからず、聞き取りにくい発音になってしまいます。
 さらに、早口でしゃべるため、聞き取りにくいということもあります。ことばが頭のなかにあふれて、気がせいてしまっている状態です。

 これは、ゆっくり話す練習をすることで、相手に聞き取りやすい話し方を身につけることができます。



物事を覚えるのに時間がかかる
 ダウン症の子どもは話し方だけでなく、話すこと自体うまくできないことがあります。ダウン症の子どもは、ことばを覚えるのにとても時間がかかります。

 たとえば普通の子どもたちが1歳くらいでことばを発し始めるのに対して、ダウン症の子どもたちは3歳くらいです。単語をつなげて話ができるようになるのは、普通の子どもたちであれば2歳くらいですが、ダウン症の子どもたちは5歳くらいになるようです。

 ダウン症の子どもたちは理解することが遅いために、覚えることに時間がかかるのです。

 さらに、物を数に置き換えたり、足し算や引き算、時計の読み方、お金の計算など、数の理解が難しいこともダウン症の子どもの特徴です。

 しかし、理解の程度には個人差があり、ゆっくりであっても、だんだん理解できる子どももいますし、難しくて最後までできない子どももいます。



知的障害を伴うことが多い
 ダウン症の子どもは、物事を覚えるのに時間がかかったり、動作もゆっくりです。これらのことは、知的障害をともなっていることが、原因のひとつにあります。
 知的障害とは、知的な能力の発達が、同じ年齢の子どもたちより遅れている状態をいいます。知的障害は一般的にIQ(知的指数)という尺度であらわされます。IQの値が一定値より低い場合に、知的障害があるとされています。

 しかし、ダウン症の子どもは、体の発育や知的な能力の発達がとてもゆっくりですが、ゆっくりではありますが知的レベルが上がっていくこともあります。



手足が冷たい
 ダウン症の子どもは、手足がひえて冷たくなり、それでいながらも冬でも汗をかいていることがあります。これは自律神経という、自分の意思とは関係なく、体温など体の機能を調整している神経がうまく働いていないことに原因があります。

 その結果、自分の手足が冷たいことに気づきにくく、また、手足を少し温めただけで、体全体がほてったように感じ、汗をかくほど暑がってしまうことがあります。