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めまい原因となる病気

めまいの症状、原因、治療

前庭神経炎

 前庭神経とは三半規管や耳石器からの情報を脳に伝えるための神経のことです。その神経に障害が起きたものを「前庭神経炎」と呼びます。この病気になると、何の前ぶれもなく激しい回転性のめまい、吐き気、嘔吐に襲われ、起き上がることもできないほどです。平衡感覚を伝える神経が一時的に障害され、機能しなくなるので、人によっては歩行困難になることもあります。ただし、耳鳴りや難聴はともないません。前庭神経炎によるめまい症状は2〜3日でおさまりますが、フラフラ感やフワフワ感、頭重感などから解放され、完全に治るまでには1ヶ月〜数ヶ月かかることもあります。

 前庭神経炎では、目がリズミカルに左か右の方向に動きますが、ほとんどの人が数日間でおさまります。しかし、一度発作がおさまっても体調が落ちると数ヵ月後あるいは数年後にふたたび発作を起こす人もあります。発症しやすい年齢は30〜50代ですが、高齢者にもみられ、小児におこることはきわめて稀です。

 前庭神経炎はウイルスが原因ともいわれていますが、その原因は不明です。症状の激しさから重篤な病と感じる人も多いのですが、生命にかかわるようなものではありません。治療は薬物を使った対症療法を受け、安静にしていればかならず回復しますのであまり心配はいりません。