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COPDの栄養療法

 
栄養療法の目的は
 COPDの人には極端に太った人とやせた人がいることが知られています。どちらの場合も適正な体重にもどして、それを維持することが必要です。

 少なくとも週に一度の体重測定と、毎日の食事の量を整えることが重要になります。十分な栄養をとり、運動療法を続けると、息切れが軽減して活動範囲が広がり、生活の質も改善してきます。



危険な肥満
 COPDは生活習慣病ですが、ほかの生活習慣病と併存するという特徴があります。特に肥満はメタボリック症候群を起こすことがよく知られています。

 メタボリック症候群は糖尿病、虚血性心疾患などほかの病気の原因となります。また、肥満は睡眠時無呼吸症候群の原因ともなっています。


 息切れのあるCOPDにさらに肥満が加わると、散歩、買い物など日常生活でのちょっとしたこともおっくうになり、運動不足がさらに肥満を増長することになります。

 高度な肥満になると、動きの効率も悪くなり、肺の動きも効率も低下させます。それと同時にCOPDの炎症もさらに悪化させると考えられています。


危険なやせ
 COPDの人の多くは、息切れのため体を動かさなくなります。そのため、体を動かさないので食欲がわかない→十分に食べられないので体力も筋力も衰えてくる→体力、筋力が落ちると体を動かせない、という悪循環におちいります。

 
また、呼吸が苦しいと、体全体を使って呼吸するために、安静にしていてもエネルギーは大量に消費されて、やせてくる傾向にあります。

 気をつけたいのは「6ヶ月以内に10%以上の体重の減少」があった場合です。このようなときは、摂取エネルギーの不足や、COPDが進行していることが考えられます。

 また、急激に体重が減少した場合は、症状がいつもよりおおきく悪化する憎悪の前触れのこともあります。「体重減少→憎悪→さらなる体重減少」をくり返すと、命にかかわることもあります。