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痛風の症状・原因・治療

痛風の症状・原因・治療

痛風とは

 痛風とは、ある日突然、足の親ゆびの付け根の関節が赤く腫れて痛みだします。痛みは風が吹いても痛いといわれるほど、歩けなくなるような激痛です。発作的な症状なので痛風発作とも呼ばれます。

 かつて、美食や大酒といったぜいたく三昧をする王侯貴族に、痛風を発症する人が多かったことから、痛風は昔から「帝王病」、「ぜいたく病」などと言われてきました。しかし、近年では食生活に差がなくなり、全体的に豊かになっているため、痛風になる人も増加し、今や、痛風の原因となる「高尿酸血症」は高血圧や糖尿病、脂質異常症などと並ぶ代表的な生活習慣病の一つとなっています。

 厚生労働省の「国民生活基礎調査」によると日本の痛風患者は約87万人いると推定されています。高血圧や糖尿病の患者数に比べて、一桁少ないように思われるかもしれませんが、近いうちに痛風を発症する危険性のある痛風予備軍ともいえる高尿酸血症患者は、なんと500万〜600万人になるのではないかとみられています。

 痛風は男性に圧倒的に多い病気です。痛風の原因は高尿酸血症ですが、一般的に尿酸の血清尿酸値(血液中の濃度)が女性では男性より低いからです。この男女差の原因は女性ホルモンです。女性ホルモンは腎臓に尿酸の排泄を促がす働きがあるため、尿酸値が低く維持されるているためです。

 少し前までは、痛風は40〜50代の男性がかかるというイメージがあったのですが、今では30代男性の患者が最も多くなっています。痛風は高尿酸血症になっていても、ある日突然、激痛を伴う発作に襲われるまで、ほとんど自覚症状がありません。そのため、健康診断の結果「尿酸値が高い」という結果がでても自分には関係ないと考える人が少なくないようです。

 しかし現在では、食生活の変化に加えて、運動不足や過度のストレスを受けやすい社会環境にあります。こうしたことが、尿酸値をあげる原因の一つと考えられています。自覚症状がないからといって適切な治療を受けないでいると痛風になる可能性が強くなります。