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痛風の症状・原因・治療

痛風の症状・原因・治療

痛風を改善する食事・運動

朝・昼・夜の食事のポイント
毎日の食事は肥満を解消する強い武器です。いくら尿酸降下薬を飲んでも、食事の早食いをしたり、不規則な時間に食べていたのでは何にもなりません。薬物療法と食事療法、そして適度な運動をきちんと実行していくことがなにより大事です。食事療法というと、とても面倒なものに思えるかもしれませんが、基本は「栄養バランスの取れた食事を3食きちんと規則正しく食べる」ということです。

朝食
朝食をとらないと太りやすくなります。朝食をぬくと、前日の夕食から翌日の昼食まで半日以上何も食べないことになります。そうすると胃腸は次の食事まで最大限のエネルギーを吸収しようとします。その結果、糖質や脂質の吸収が促進され、血液中にブドウ糖やコレステロール、中性脂肪が増えます。使いきれなかった分は中性脂肪として体脂肪になり肥満を招きます。朝食の理想は、糖質の吸収が穏やかで、脂質の少ないごはんに納豆、みそ汁といった和食です。一方、トーストにバターやマーガリン、ジャムをたっぷり塗り、砂糖入りのコーヒーといった朝食は、糖質や脂質の取りすぎになります。食欲のないときには、ヨーグルト、果物、豆乳、野菜ジュースなどの消化のよいものがいいでしょう。そのときには昼食で1日の摂取エネルギーを調節します。

【昼食
昼食は栄養バランスのとれた手作りのお弁当が理想ですが、勤めている人の場合は外食する機会が多いかもしれません。忙しいからといって早食いをしたり、抜いた朝食の分までまとめ食いしたりすると、太りやすく、尿酸値を上げることになりかねません。食べ始めてから、満腹感を覚えるまでには20〜30分かかります。よく噛まないで飲み込む早食いをしていると、脳が「おなかいっぱい」という満腹信号を出すまでに食べ過ぎてしまいます。食べ物を口に入れたら30回以上噛んでから飲み込むようしましょう。外食のおすすめは比較的低エネルギーの和定食です。また、カツ丼などの丼物はごはんを少し残すぐらいにしましょう。

夕食
日本人は夕食に重きをおく傾向にあります。夕食後はあまり活動しませんし、寝るまでの時間が短いためにエネルギーはあまり消費されません。そこで夕食は脂っこい肉料理よりは、魚や野菜を中心とした献立にして、寝る3時間前くらいまでにはすませるようにします。また、食後のデザートは糖質の取りすぎになるので避けましょう。果物は尿をアルカリにする点ではおすすめですが、糖質が多いので朝食や昼食、間食で食べるようにします。

プリン体の多い食品には注意
プリン体を多く含む食品は、主に魚や肉など、とくにレバーや内臓類です。大量にとらなければ過度に神経質にならなくてもいいでしょう。プリン体を多く含む魚介類や動物の内臓などは、良質なたんぱく質も豊富です、ですから、それらを全く食べないと決め付けるのではなく、全体の栄養バランスと、肥満や塩分、動物性脂肪の取りすぎに注意するという視点から献立をたてるようにします。
 いわしやさんまはプリン体の多い食品に分類されますが、その一方で、動脈硬化を予防するEPAやDHAが豊富に含まれていて、どちらも取りたい食品です。要はどの食品にしろ、極端にとらないということを心がけていればいいということです。

アルコールは控えめに
アルコールを飲むと、肝臓での尿酸の産生が促されます、また、肝臓がアルコールを分解する過程で乳酸が増え、尿酸が腎臓から排泄される能力は低下してしまいます。さらに、飲みすぎた翌日に痛風が発症することが多いことからアルコールは痛風を起こしやすいといことがわかります。
 高尿酸血症や痛風の人は理想的には禁酒がよいでしょう。しかし、禁酒することでかえってストレスがたまると逆効果です。飲むときは適量が大切です、適正なアルコール量の目安としは、ウイスキーならダブル1杯程度です。特にアルコールの中でもビールは最もプリン体が多く、ウイスキーの約50倍、ワインの約15倍、日本酒の約5倍にもなります。高尿酸血症や痛風の人はビールは避けるようにしましょう。 

水分を十分に取る
高尿酸血症や痛風の人が尿路結石や腎障害を合併しやすい原因として尿の酸性度が関係しています。高尿酸血症や痛風では尿が酸性化しやすく、尿が酸性に傾くと尿酸が溶けにくくなり、結石ができやすくなります。こうした合併症を防ぐには尿路管理が重要になってきます。尿路管理の方法は、水分を多くとって尿量を増やすことです。水分を多くとって尿量を増やせば、尿酸が溶けやすくなります。尿量は通常1日に1〜1.2リットルですが、高尿酸血症の人は1日に2リットル程度の尿がでるように水分を取ることを目標しましょう。ただし、ビールはプリン体が多く含まれていますので避けるようにします。また、糖分の多いソフトドリンクを飲みすぎると、エネルギーの過剰摂取になりますので、水やお茶などの糖分を含まないものとるようにします。具体的には、食後のお茶を1杯から2杯にしたり、汗をかいたら水分を補給するなどの方法がいいでしょう。

適度な運動をする
高尿酸血症や痛風の人にとって運動を習慣化することは大きなメリットがあります。メリットは肥満の解消とストレスの発散です。肥満は尿酸の排泄を阻害したり、高血圧や糖尿病などの合併症を引き起こす危険性を高めます。食事療法で適度な摂取エネルギーにするとともに、適度な運動をすることで消費エネルギーを増やし、体内の余分な体脂肪を燃焼させることができます。適度な運動は、インスリンの働きを活発にしたり、血圧の上昇を抑え、血液中の中性脂肪を減らし、HDL(善玉コレステロール)を増やしてくれます。また、筋肉が鍛えられ、エネルギーを消費しやすくなることで、太りにくい体質になります。そして、もう一つのメリットは尿酸値を上げる原因となるストレスを発散できることです。

ただし、運動の仕方によっては、高尿酸血症や痛風の人にとって、デメリットとなる場合もあります。筋力トレーニングや短距離走のような激しい運動をして大量にエネルギーを消費すると、プリン体が尿酸へと分解されて尿酸値をあげてしまいます。ですので、激しい運動は避けて、併せてこまめな水分補給をすることを心がけるようにします。