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統合失調症とは
  統合失調症の原因、症状、治療
統合失調症の陽性症状
 
  統合失調症の症状は人それぞれで個人差が大きいものです。よくみられるのは、現実には存在しない人の声が聞こえる「幻聴」や、実際には起きていない出来事を現実にあるように思い込む「妄想」などで、これらを「陽性症状」と呼びます。


幻覚
 統合失調症でみられる幻覚の多くは、実在しない人の声が聞こえてくる幻聴です。しかしながら、当人にはそれが幻聴であるかどうかを正確に判断できないことが少なくありません。

 たとえば、後ろの方から自分を呼んでいる声が聞こえ、それに反応して振り向いたとしましょう。振り返ってもだれもいません。本人は確かに自分を呼ぶ声が聞こえたはずなのに誰もいない・・・。これなどはまだいいほうですが、多くの幻聴には「バカ・・・、死ね・・・」などのように、その人に精神的なダメージを与えるような内容を含んでいます。幻聴の内容があまりにも辛辣な場合は本人の精神的苦悩ははかりしれません。



妄想
 妄想にはさまざまなものがあります。最も多いものは「被害妄想」と呼ばれる妄想です。自分が攻撃の対象になっていると思い込むことです。妄想がひどくなると他人に対して攻撃的な行動にでることもあります。

 また周囲のさまざまな出来事が自分にあたかも関係しているように思ってしまう「関係妄想」といわれるものがあります。例えば、テレビの出演者が自分に命令しているように感じることなどです。その他、自分は有名人の子どもであるとか、恋人であるとかなどの「誇大妄想」をもつ人もいます。


 このような、妄想や幻覚がでるようになると精神的苦痛を感じるようになり、その結果、周囲の人には奇異にみえるような言動が現れるようになります。たとえば、近所の人たちが自分の悪口を言っているような幻聴が激しく聞えれば、外出を避けて、自分の部屋にこもったりするようになります。