セキセイインコの季節別飼育法
 

春
 春は鳥を含めた動物たちにとっては繁殖のシーズンです。セキセイインコは1年に何度も繁殖しますが、巣引きに適しているのは、春と秋です。


発情期には巣箱を用意
 3月頃になって、オスとメスがさかんにくちばしをつつきあったり、尾羽を振りながら頭を動かす動作をし始めたら、発情がはじまった合図です。ろう膜(くちばしの付け根を覆う肉質の部分)の色も変わってきますので、ケージの中に巣箱を用意します。

 この時期からは、なるべく静かにして、ケージなども移動しないようにします。4月から5月にかけてヒナがかえります。ヒナを育てている時期は、親鳥はいつもより多くエサを食べますので、エサは多めに与えるようにします。また、アワダマなどのタンパク質の多いもの、ビタミンを多く含む野菜、ミネラルの多いボレー粉などを与えるようにします。


梅雨時は要注意
 梅雨時から夏にかけてはエサや水が腐りやすくカビが生えやすいので、エサや水は毎日新しいものと取り替えるようにします。そしてケージも掃除や日光消毒をこまめに行うようにしましょう。



夏
 一般的にセキセイインコは早ければ6月頃から羽毛が生えかわります。この時期は体力がなくなっていることもありますので、野菜とボレー粉を欠かさないようにします。生えかわりは30〜40日くらい続き、しだいに新しい羽毛につやがでてきます。

 セキセイインコも人間と同様に、涼を求めていますので、ケージは風通しのよい日陰に置くようにします。セキセイインコは汗をかかず、犬のように口をあけて体温を調節しますので、鳥が口をあけてハアハアしているようだったら、ケージをもっと涼しいところに移動させてください。



秋
 秋は再び巣引きの時期です。春と同様に、エサは繁殖用ペレットやアワダマなどのタンパク質の多いものや鳥の食欲をそそるカナリーシードなどを多く入れます。これは、体力をつけるためだけではなく、発情させるのにも役立ちます。

夏に体力を消耗していますので、ビタミンの多い野菜、カルシウムの豊富なボレー粉も常に補給しておきましょう。そうすることで冬への準備にもなります。

10月を過ぎると、だいぶ涼しくなってきますので、なるべく室外に出すのは避けましょう。



冬
 冬の寒さから守ってあげるのは大切なことですが、暖房が効きすぎたりしても、夜や明け方の気温の変化に合わせて自分で温度調節することができないため、カゼをひきやすくなります。

 また、寒さ防止には脂肪分の多いエサが有効なのですが、食べ過ぎると肥満のもとになりますので注意が必要です。理想は25度〜30度に保温を保って、1年を通してバランスのとれたものを与えることです。