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アルツハイマー病の原因

 
 アルツハイマー病の主な原因はβアミロイドによる老人斑、脳の萎縮によるものです。アルツハイマー病を起こした脳はシミのような「老人斑」が広がり周囲の神経細胞を圧迫し、これを死滅させていきます。

 この「老人斑」の正体はβアミロイドといわれるタンパク質ですが、早ければ40代から出来はじめ、これが蓄積されてできるといわれています。

 脳には約1000億の神経細胞があり、神経伝達物質が神経細胞に情報を運ぶというネットワークを作っていますが、アルツハイマー病になると、脳のネットワークが崩れ、脳が萎縮していきます。


 成人では1400グラム前後ある脳の重さが、アルツハイマー病を発症して10年程度経過すると、800〜900グラム前後になるといわれています。

 アルツハイマー病は65歳の人では数パーセントに過ぎませんが、75歳を過ぎると急激に増えています。しかしその原因については、まだはっきりわかっていません。



なぜ問題行動が起こるのか
 アルツハイマー病の人は、日常生活のなかでいろいろな問題行動を起こします。

 しかし、これは本人が望んで起こしているわけではありません。記憶障害や認知障害のために、周りの人とうまく付き合うことができず、結果的に起こってしまうようになることです。


 多くの問題行動は、何かをしようとして失敗したり、自分のプライドを守ろうとして起こると考えられています。

 このような問題行動には、必ず理由や背景があります。周りの人がそれを理解しようとすることが、適切な対応への第一歩です。



問題行動の心の動きとその理由


食事をしたがらない理由は
 体調がよくない、入れ歯が合わないというような身体的な理由や、ほかのことの気がいってしまっていることもあります。たんに、食べたと勘違いをしていることもあります。

何度も食事をしたがる理由は
 食べたことを忘れている可能性があります。また、満腹を感じなくなっていたり、食べることで欲求不満を満たそうとしていることもあります。


「家に帰る」と言い出す理由は
 今いるところがどこか認識できない、ここは自分の居場所ではないと感じたときに起こります。「家」とは、自分の生まれ育った家を指す場合や、抽象的に心やすらげる場所をさす場合もあります。


下着など、汚れ物を隠す理由は
 汚れ物をしまいこむのは、失敗をだれにも知られたくない、はずかしいという気持ちから隠そうとします。


おもらしをする理由は
 トイレの場所や使い方がわからない、下着の着脱の仕方がわからないなどの理由が考えられます。ひとつひとつはできても、一連の動作を組み立てられないこともあります。


夜、寝ないでさわぐ理由は
 昼間と夜を間違えていることがあります。昼間の活動が少なくて夜眠れない、眠りが浅く夜中におきてしまうこともあります。また、脳の障害によっておこる「夜間せん妄」(夜になると錯覚や幻覚が現れる)の場合もあります。