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パーソナリティ障害(人格障害)

Newton別冊『精神科医が語る 精神の病気』 (ニュートン別冊)
パーソナリティ障害(人格障害)の症状

パーソナリティ障害の症状

 パーソナリティ障害は一般に本人には自覚がなく、自分は悩まず周囲の人を悩まします。そのため現実生活上、相当追い詰められて、はじめて問題に気づきます。パーソナリティ障害は基本的には病気ではなく障害であると捉えられています。その他の精神病と比べて慢性的であり、その症状は長期に渡って変化しないことに特徴があります。
 パーソナリティ障害は、その症状によりいくつもの種類があり、何種類かのグループに分けることができます。その分類法もいくつかありますが、一般的なのは、世界中で用いられている、アメリカ精神医学会が定めた精神疾患に関するガイドラインです。ここでは10種類のパーソナリティ障害を3つのカテゴリに分け規定しています。

A群:風変わりな考え方や行動が特徴
妄想性パーソナリティ障害
(根拠なく極度に疑いが深く、他人のことばすべて自分の批判へと捉えて解釈する)
統合失調質パーソナリティ障害
(他人に全く興味を示さない。喜怒哀楽を表さない)
統合失調型パーソナリティ障害
(「魔術的思考」といわれる奇妙な発想や空想、独特の信念を持つ)

B群:感情が激しく不安定なタイプ
反社会性パーソナリティ障害
(刑罰を受けても違法行為を繰り返す。良心の呵責が欠如)
境界性パーソナリティ障害
(他人から見捨てられまいと過剰な努力をする)
演技性パーソナリティ障害
(過度な情緒性を持つ。常に注目の的になっていようとする)
自己愛性パーソナリティ障害
(自分の能力を過大評価。他人に嫉妬し、尊大で傲慢な態度をとる)

C群:不安感や恐怖心が強いタイプ
回避性パーソナリティ障害
(失敗や傷つく事を恐れるあまり、行動や決断を避ける)
依存性パーソナリティ障害
(全般的に依存的で、服従的な行動)
強迫性パーソナリティ障害
(完全主義にとらわれ効率を犠牲にする)