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パーソナリティ障害(人格障害)の症状とタイプ

Newton別冊『精神科医が語る 精神の病気』 (ニュートン別冊)
パーソナリティ障害(人格障害)の症状

回避性パーソナリティ障害

 困難に出会ったときに立ち向かおうとせず、避けたり、逃げたりする傾向が強いのが回避性パーソナリティ障害の特徴です。わかりやすい例では登校拒否や五月病、社会人の出社拒否などということになります。

 回避性パーソナリティ障害の人は、自分は社会的に不適格で魅力に欠けていると考え、笑われること、恥をかくこと、排除されること、嫌われることを怖がり、そのために、社会的な交流を避けようとする傾向があります。また、失敗や傷つく事を恐れるあまり、行動や決断を避けてしまいます。そのため対人関係を極力避けたり、社会へ出る事がおっくうになりがちです。恥ずかしいことになるかも知れないと言う理由で、何かにチャレンジしたり、新しいことをはじめたりすることに異常なほど消極的になります。多くは、友人関係を広げることができず、傷つくことのない数人の友達と過ごしています。ほかの人と安心してつきあう力に欠けているといえます。

 原因としては親が子どものすることに強く干渉してきたことによると考えられます。子どもは自分で決定する力を養うことができずに、誰かに決めてもらうことを求めます。子どもには無理ときめつけると弱くなり、自分で判断する力や自身を失ったと考えられます。回避性パーソナリティ障害はアメリカの調査では人口の1%ほどという報告がありますが、日本ではそれよりも多いと推測されます。
 

妄想性パーソナリティ障害 演技性パーソナリティ障害
統合失調型パーソナリティ障害 自己愛性パーソナリティ障害
統合失調質パーソナリティ障害 回避性パーソナリティ障害 
反社会性パーソナリティ障害 依存性パーソナリティ障害
境界性パーソナリティ障害 強迫性パーソナリティ障害