投薬治療によって改善が見られない重症の場合は、手術という選択肢もあります。手術ができる病院や医師も、患者さんの数も限られている非常に難しいものです。手術には「内リンパ嚢開放術」と「前庭神経切断術」の2種類の方法があります。
【内リンパ嚢開放術】
メニエール病は内耳を満たしている内リンパ液の循環に障害がおきて、内耳が水ぶくれ状態になることで起こるといわれています。そこで内リンパ嚢を切開して開放し、溜まり過ぎている内リンパ液を外に流すことでめまいを抑えます。
【前庭神経切断術】
一方メニエール病は、内耳に起こる異常が前庭神経を通じて脳に伝わりめまいを起こすと考えられています。そこで、前庭神経を切断して脳へ伝達されるのを遮断する方法が「前庭神経切断術」です。
一般的にはまず内リンパ嚢手術が行われますが、いずれの方法も一長一短あって、症例に応じて手術法が選択されます。また時間とともに手術で設けた連絡路が閉塞し再発することもあり、絶対的な方法ではありません
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